浦ちゃんとして大ブレイク - 写真:中村好伸

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 生田斗真がトランスジェンダーの女性役に挑んだ映画『彼らが本気で編むときは、』で、彼女を受け入れる恋人マキオを好演した桐谷健太(37)。映画・ドラマでも殻を破り続けている桐谷だが、昨年はauのCMでさらに知名度を増し、NHK紅白歌合戦出場も果たすなど、国民的スターとしてお茶の間をにぎわせた。そんな桐谷が歌うこと、演じること、そして現在の人気ぶりについて語った。

 2016年は桐谷にとって特別な1年となった。映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』や、フジテレビの月9ドラマ「カインとアベル」など、俳優業も好調だったが、なんといってもauのCM「三太郎」シリーズの浦島太郎こと“浦ちゃん”の大ブレイクは桐谷の名を全国津々浦々、有名にした。

 これについて桐谷は「うれしいことですね。でも、僕自身は取り組み方も、アプローチも、何も変わっていないんですよね。自分で言うのも何ですが『気付いてもらえた』という感じ。CMはテレビをつければ出てくるので、範囲も広くなる。そういった意味ではありがたかった」と振り返る。

 紅白歌合戦では、同CMソング「海の声」を熱唱したが、本人も「気持ち良かったぁ、思いっきり歌わせていただきました」とニッコリ。「紅白なんて、なかなか立たせてもらえる場じゃないじゃないですか。もう、アカペラで思い切りやったれ! みたいな感じでしたね。味わったことのない達成感がありました」と大満足の様子だ。

 「今後も音楽活動を続けていけたら」と語る桐谷は「自分にとって音楽は芝居とまた違った表現方法というか、面白さがある。自分が歌って気持ちよければ正解。でも、芝居は少し違う。その役のフィルターを通すので、自分が気持ち良ければいいということじゃない。役者は内に入っていく感覚なんですよね。入り込みすぎると、たまにおかしくなるときがあって、もちろん真ん中に自分がいて、(心が)いつでも帰れるようにはしているんですが、歌は突き抜けられますからね。両方やれるとバランスがいい」と持論を述べた。

 そういった意味で、昨年は最高にバランスがいい年を送ることができた桐谷。その勢いに乗って『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子監督がメガホンを取った最新作では、セクシャルマイノリティーのリンコ(生田)を一人の女性として純粋に愛する青年・マキオを自然体で演じている。「マキオにしてみればトランスジェンダーの人を好きになった、という感覚はないんですよね。単純に一人の女性としてリンコさんにほれてしまったところから始まっている。それを核にして、あとは自分の家族とか、経験したこととか、たたずまいなど、いろんなことを混ぜ合わせてマキオを作り上げていった」と明かす。

 生田演じるリンコとは愛する思いがあふれて、思わずキスするシーンもあるが、「確かあれは僕がやりましょうって言ったんです。あの会話のあとは抱きしめたいと思うだろうし、キスしたいと思ったから。しかもちょっと何かあった方が『あ、この二人は恋人同士なんだな』というエッセンスが生まれる」と桐谷。「斗真も後半にいくにつれて、どんどんキレイになっていって。違和感なく好きでしたね」と照れ笑いを浮かべていた。(取材・文:坂田正樹)

映画『彼らが本気で編むときは、』は2月25日より全国公開