中国が提唱する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する初の国際首脳会議が5月に北京で開催される。保護主義的な米国のトランプ政権に対抗して国際協力の重要性を訴え、中国の影響力拡大を目指す狙いだ。写真は天安門広場。

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2017年2月10日、中国が提唱する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関する国際首脳会議が5月14、15日に北京で開催される。「一帯一路」サミットが開かれるのは初めて。保護主義的な傾向を強める米国のトランプ政権に対抗して国際協力の重要性を訴え、中国の影響力拡大を目指す狙いだ。

「一帯一路」は13年に中国の習近平国家主席が呼び掛けたアジアとヨーロッパを結ぶ二つの経済圏構想。一帯は中国西部から中央アジアを経由して欧州につながる「シルクロード経済ベルト」、一路は中国沿岸部から東南アジア、インド、アラビア半島の沿岸部、アフリカ東岸、欧州を結ぶ「21世紀海上シルクロード」を指す。

中国が設置したシルクロード基金やアジアインフラ投資銀行(AIIB)などを通じて、二つの経済圏の関係国に対しインフラ投資や融資を行い、市場の拡大と活性化などの経済効果を高める。同時に中国が主導する経済圏を確立するという政治的目的もあると指摘されている。

中国外務省、商務省などが15年3月に発表した公式説明によれば、「一帯一路」は北線、中線、南線の計三つのルートによって構成される。北線は北京―ロシア―ドイツ―北欧で、中線は北京―西安―ウルムチ―アフガニスタン―カザフスタン―ハンガリー―パリ。南線は泉州―福州―広州―海口―北海―ハノイ―クアラルンプール―ジャカルタ―コロンボ―コルカタ―ナイロビ―アテネ―ベネチアとされる。

AFPなどによると、1月1日には衣類などが入ったコンテナ24個を載せた国際貨物列車の第1便が浙江省の義烏を出発。カザフスタン、ロシア、ベラルーシ、ポーランド、ドイツ、ベルギー、フランス、英仏海峡トンネルを経由し、ロンドン東部バーキングに到着した。1万2000キロを18日間かけて走破。中国と英国を結ぶ海上輸送に比べ半分程度の日数という。

海上ルートではパキスタンやスリランカなどで中国が援助して港湾整備が進められているほか、アフリカ東部のジブチでも中国企業が参加する国際自由貿易区の建設工事が1月中旬、始まった。面積は約48平方キロメートルで完成は17年末の予定。英BBCは「アフリカ最大の自由貿易区になる見通し」と伝えている。

人民日報によると、「一帯一路」構想には100以上の国や国際機関が賛同を示し、今回のサミットにも既に約20カ国の首脳が参加を約束している。習指導部は秋の共産党大会を控え、サミットを今年の重要な国際会議と位置付けており、昨年9月に杭州で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議に続き、世界経済における中国の指導力を国内向けにもアピールしていく考えとみられる。(編集/日向)