2017シーズン 選手の補強一覧

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4年連続の残留も苦しいシーズンに

 フットボールチャンネル編集部では、Jリーグ開幕に向けて各J1クラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。今回は、昨季のリーグ戦を年間勝ち点14位で終え残留を果たしたヴァンフォーレ甲府を占う。

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 2015年途中から指揮を執り残留に導いた佐久間悟監督が続投した2015シーズンは、苦しみながらも2013年にJ1昇格を果たしてから4年連続の残留を勝ち取った。クラブの規模や年間予算、毎年主力を引き抜かれるという状況を考えれば、称賛されるべき結果だ。

 しかし、年間勝利数7、勝ち点31、得点32、得失点差マイナス26はいずれも前回J2への降格となった2011年を下回る数字となっており、さらに失点58は前年から15の増加。数字面を見ると甲府より順位の低いチームがより苦戦を強いられたということから、残留を勝ち取れたともいえるだろう。

 チームの立て直しと進化は昨シーズンアルビレックス新潟を途中退任となった吉田達磨監督に託された。これまで築いてきた戦い方とは異なる、吉田監督の志向するサッカーが甲府とどのような化学反応を見せるのかに注目が集まる。

Jでの実績あるウイルソンが加入。中盤では新井が軸に

 終盤戦に前への推進力と11試合4ゴールという結果でチームの残留の立役者となったドゥドゥが残留。ベガルタ仙台からはウイルソンが加入した。近年は怪我が増え、年間を通したプレーができていないが、Jリーグでの実績は証明済みだ。

 ここ数シーズン、獲得した外国人選手がシーズン途中で退団するケースがあるだけに、国内での実績があるウイルソンにかかる期待は大きい。また、京都サンガから堀米勇輝が2シーズンぶりに復帰し、河本明人や田中佑昌など既存戦力を含めて前線の層は厚くなったといえるだろう。

 ボランチでは昨シーズン成長した新井涼平が軸になりそうだ。稲垣祥の退団は痛いものの、26試合に出場した黒木聖仁に加え、兵働昭弘、小椋祥平という経験豊富な選手が加わった。チームの軸となるポジションとなるだけに、チームに馴染んでいくことが求められる。

 一方で、ウイングバックと最終ラインには不安が残る。特に最終ラインはエデル・リマを獲得したが、日本のサッカーに馴染めなかった場合は山本英臣、津田琢磨、土屋征夫といったベテランに今シーズンも頼ることとなる。

吉田監督の理想と現実

 これまで甲府がやって来た、守備に人数を割き少ない人数で攻撃をするというスタイルと180度異なる志向を持つ吉田監督がどのようにチームの舵取りを担うか。これが最大にして、唯一のポイントと言っても過言ではない。

 吉田監督は自分たちでボールをポゼッションし、主導権を握ってサッカーをするスタイルを志向するが、柏レイソルでは1年、新潟では1年経たずに退任となった。甲府では理想と現実の間に折り合いをつけることが求められる時期も来るかもしれない。

 これまで戦ってきたスタイルと吉田監督のスタイルの折り合いがつかず、選手たちが消化しきれなければ、一気にチームが混乱する恐れもある。一つ一つ整理しながら進めていくことになるだろう。さらなるチームの成長と最大目標である5年連続のJ1残留を果たす、このミッションを吉田監督が達成することはできるだろうか。

 最終ラインを中心に全体的な高齢化も進んでいる。柏で長くユース年代の指導にあたってきた吉田監督には、次世代の主力を育てるという重要な仕事も求められている。2013年のJ1昇格から4年間残留を勝ち取って来た甲府の歴史にとって、チャレンジの1年になりそうだ。

診断

補強診断 C

 ドゥドゥの慰留に成功し、仙台で実績を残してきたウイルソンの獲得や堀米の復帰で前線にはオプションが広がった。ボランチでも兵働、小椋といった経験豊富な選手が加わった。しかし、最終ラインでは計算の立つ選手の補強はなく、今シーズンも山本、土屋といったベテランへの負担は大きくなりそうだ。
 
総合力診断 D

 吉田監督の下、新たなスタイルに挑むことになる2017年はチャレンジの1年となりそうだ。とにかく早急に吉田監督のサッカーに選手が慣れることが必要になる。もし、チーム作りに時間が掛かるようなことになれば、苦しい残留争いが待ち受けている。

text by 編集部