新体制で柏戦に臨んだ千葉。新戦術を試したが、0-2で敗れた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全2枚)

 2月11日、リーグ開幕に先駆けて、柏対千葉の「ちばぎんカップ」が日立柏サッカー場で行なわれ、千葉は0-2で柏に敗れた。
 
 今季から千葉の監督に就任したフアン・エスナイデル監督は、試合をこう振り返る。
 
「結果は別のものであってほしかったが、この試合から素晴らしい結論を導き出すことができた」
 
 その“結論”は明言しなかったが、新体制となったチームがこの日、見せたのは前線から積極的にプレスをかけ、最終ラインを高く保つ“ハイプレス&ハイライン”戦術だった。
 
 布陣は3-1-4-2。3バックは左から西野、近藤、若狭が並び、アンカーにはアランダが入った。2列目は左から乾、町田、山本、北爪で、前線は清武、船山の2トップとなった。
 
 序盤から千葉は2トップとインサイドハーフのふたりが、柏のCBとダブルボランチにプレスをかけ、両サイドの乾、北爪は相手の両SBから自由を奪う。最終ラインは常に高い位置をキープし、オフサイドの山を築く。「勇敢な戦術だった」と敵将の下平監督が評したように、試合を通じて両チームのオフサイド数は8:0と、千葉の狙いは数字にはっきりと表われていた。
 
 しかし、下平監督はこうも続ける。
 
「ハイプレスとワイドを起点としたアグレッシブな戦い方。なかなかない戦術だとは思う。ただ、裏を狙ってチャンスを作れた。逆にスペースがありすぎて決め切れなかった」
 
 30分過ぎから徐々に千葉の足が止まりだすと、柏の猛攻が始まる。32分にはクリスティアーノに左サイドを突破され、35分にはディエゴ・オリヴェイラに裏に抜け出され決定的なシュートを放たれる。45分にはクリスティアーノに今度は右サイドの裏でボールを受けられ、ハモン・ロペスへのクロスを許した。
 
 ハーフタイムに「スタートは良かった。プレスを続けること」と、フアン・エスナイデル監督は選手を叱咤激励し、新外国人のラリベイとホルヘ・サリーナスを投入。反撃を試みる。
 
 それでも、柏の勢いを止められず、60分と63分に立て続けに被弾。前半には6本取れたオフサイドも後半は2本とその数を減らした。
 
 さらに負荷がかかっていた最終ラインの西野と若狭が後半途中に負傷。交代を強いられ、ベンチメンバーを使い切っていたチームは81分以降を10人で戦うこととなった。

【ちばぎんカップ】柏2-0千葉 柏がクリスティアーノ、D・オリヴェイラの2発で好スタートを切る!
 フアン・エスナイデル監督は試合後、守備面について「相手にフリーでボールをもたせないことを意識した。相手にパスを出された時に自由にさせない。もちろんギリギリのなかで戦った選手はいましたが、全員が力を出し切ったという点で満足しています」と語る。
 
 一方で当の選手たちは、この新たな戦い方をどう感じたのか。左ウイングバックで先発した乾はこう話す。
 
「各々が良いポジションを取れれば、ある程度の運動量で済むとは思います。位置取りを意識すれば、良い動き出しが可能になります。守備では引きすぎてもダメ、相手につきすぎてもダメなので、最終ラインと連係しながらポジションを取りたいです」
 
 さらにシャドーの町田はキャンプから感じているチームの変化について話してくれた。
 
「もう少し攻撃のバリエーションを増やさないといけないと感じました。コンパクトな陣形はボールを取った後につなぎやすいという部分はあります。ただ、その分、後ろが空いているので、そこは攻撃陣どうこうではなく、守備陣が怖いのかなとは感じます。しかしそこは承知の上でやっている部分なので、なるべく裏に蹴られないように上手くプレスをかけるのが僕らの仕事だと理解しています」
 
 そして最終ラインの要である近藤も今の想いを吐露してくれた。
 
「監督が代わって、前から行くこととラインを高く保つことを重視しています。キャンプでも問題が出ましたけど、リスク管理がこれからの課題かなとは思います。(裏のスペースが広いのは)怖いですよ。ただ、監督が言っていることをしっかりこなすことを今日は意識していました。そうすることで、できる部分とできない部分を確認できれば良いのかなと。体力的には厳しい部分はありますよ。でも、すべてが上手くいったらなにもやることがなくなっちゃうので、今日はこれで良かったと思います」
 
 冒頭のように柏戦で“素晴らしい結論”を導き出したというフアン・エスナイデル監督は今後、どうチームを修正していくのか。近藤は「去年のサッカーをやっていてあの順位(11)なので、極端に変えていかないと上に行けない。その点は良いんじゃないか」と、前を見据える。
 
 正直に言えば、柏戦のパフォーマンスだけを見た限り、安定した成績を目指すのは厳しいと言わざるを得ない。だが、新監督の下で、さらに戦い方に磨きをかければ、“新生ジェフ”の躍動が見られるのかもしれない。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)