3Dプリンターの普及でサービスが多様化している。最近では物流各社が、3Dプリンターを利用したワンストップサービスの提供を始めた。

 矢野経済研究所は3Dプリンターメーカーや販売代理店、造形サービス事業者などを対象に世界の3Dプリンター市場を調査し、その結果を12月5日に発表した。調査期間は2016年9月から11月。3Dプリンターは空間に樹脂や金属を何層にも塗り重ねることで、デジタルデータの立体造形を可能にした装置のこと。造形方式や使用する材料の違いにより、熱溶解積層方式、光造形方式、粉末焼結方式、インクジェット方式などがある。

 2015年の世界の3Dプリンターの出荷台数(メーカー出荷数量ベース)は前年比72.7%増の19万台で、2016年には同84.2%増の35万台に達すると予想している。3Dプリンターは60万円未満のローエンド装置と、60万円以上の産業用ハイエンド装置の二極化が進んでいるが、試作品の作成やエンジニアへの教育用にローエンド装置の導入が大きく進んだことで、出荷台数の増加をけん引した。産業用のハイエンド装置も性能が向上しており、航空宇宙や自動車、医療、家庭用電気製品などの分野を中心に導入が拡大している。こうした傾向は今後も加速し、2019年の出荷台数は215万台に達すると予想している。

 そんな中、ヤマトホールディングスは1月27日、同社の物流拠点に3Dプリンターを導入し、製品の受注・製造・配送まで一貫して提供する「3Dプリント・配送サービス」を2月1日から提供すると発表した。オーダーメイドで少量多品種の製造が必要な治療用装具や医学模型市場から提供を始め、将来的にはメーカーの試作品製造などの分野にも展開する。また、同社はASEANなど諸外国への展開も視野に入れており、2025年度までに売上100億円を目指す。

 一方、日本通運株式会社も同日、3Dプリント技術のソリューション提供をしている株式会社カブクと、3Dプリント製造を含めたデジタル製造のグローバル物流に関する業務で提携したと発表した。株式会社カブクは米州や欧州、東アジア、南アジア、オセアニアなど世界33カ国にネットワークを持っており、各国で生産した製品の輸送や保管などの物流サービスを日通が請け負う。

 物流では、3Dプリンターを使って受注から製造、保管、配送までのサービスをワンストップで提供すれば、自社の資源を生かしながら収益拡大につなげられる。3Dプリンターを活用したビジネスは、今後もさまざまな分野で広がりそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]