加齢黄斑変性を根本的に治療できる手術となる可能性も(画像は神戸市立医療センター中央市民病院プレスリリースより)

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高齢になるほど発症しやすくなる目の病気「加齢黄斑変性」治療のため、患者本人ではなく他人から作製したiPS細胞を使う――。

世界初となるこの臨床研究を開始するため、神戸市立医療センター中央市民病院と大阪大学大学院医学系研究科、京都大学iPS細胞研究所、国立研究開発法人理化学研究所による研究グループは2017年2月7日、加齢黄斑変性の患者を募集すると発表した。

欧米では成人の失明原因の第1位

神戸市立医療センター中央市民病院の発表資料によると、手術は2017年前半に実施予定だ。応募条件は「重症の『滲出型加齢黄斑変性』であること」「現在治療中の50〜85歳の患者」「矯正視力が手0.3 未満」で、人数は5人程度を予定している。さらに詳細な情報は同病院のウェブサイトから確認できる。

「加齢黄斑変性」は、網膜の中心部である「黄斑」に障害が生じ、ものが見えにくくなる病気で、欧米では成人の失明原因の第1位となっている。

日本眼科学会のウェブサイトによると、治療法はいくつか存在するが効果的な方法はな。ある程度の視力回復は期待できるものの、視力が正常になることはほとんどないという。

今回の臨床研究では、京大iPS細胞研究所が保管している他人のiPS細胞を使い、理研で網膜細胞を作製。大阪大と神戸市立医療センター中央市民病院で患者への移植手術(他家移植)を行う。

理研では2013年に、患者本人の細胞から取り出したiPS細胞でシート状の網膜細胞を作成、移植する手術(自家移植)に成功していたが、自家移植では治療期間が長期になり、手術費用も数千万円以上と高額だった。

研究グループは他家移植の場合、期間やコストを大幅に圧縮できるとしている。