反町監督の下で見せた、迅速な対応に松本の高い組織力が垣間見えた。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 松本山雅は2月10日、この冬一番の寒波の襲来によりキャンプ地のピッチが積雪に見舞われたため、急きょ宿泊先から近い人工芝グラウンドでの練習に変更。前日ほぼ全員が練習試合を行なっており、軽めのメニューで調整した。
 
 反町監督は「俺は雪男だ。確信したな。行く先々で雪を降らせてきた。新潟で指揮を執った1年目に福岡で雪が降り、東京の国立競技場の試合も降雪で中止になったことがある。気象予報士になれるな」と苦笑い。
 
 ただ、前日まで2日間、選手たちが集中して取り組み、手応えを得るとともに、蓄積した疲労についても心配していた。「(練習の)1コマが落ちたけど、むしろそれで良かった。ここで一旦落ち着いてやるのも良いこと」と、今回の悪天候を決してマイナスには受け止めていなかった。
 
 清水での2次キャンプを経て、鹿児島キャンプに突入。指揮官は「フィジカルをもう一段階アップし、1年間戦う素地を作っている。戦術面では、攻撃のほうをメインに、チームの母体になるところを、ミーティングや試合をこなして固めている」と取り組んできた内容について説明。
 
 12日には鹿児島と練習試合を行ない、13日はオフになる予定。「ホテルでの夕食は用意していない。つまり、外食しないといけない。無理矢理にでも、外へ出すことも狙い」と、指揮官は言う。
 
 何よりこの10日の練習場の変更は、反町監督の判断の下、スタッフの迅速な対応力が光った。それぞれが役割をまっとうして練習場変更に沿って用意を進め、選手・スタッフとも、ストレスをためることなく、メニューをこなした。「上手くいった。自画自賛だよ」と反町監督は語っていたが、決して規模は大きくないものの、反町監督の下でまとまる、松本の「組織力」の基盤の強さが感じられたひとコマと言えた。
 
 そういった個の力は、もちろんピッチの選手にも求められる。反町監督は言う。
 
「横着はしてはいけない。クラブ規模(経営基盤など)でいえば、ウチはリーグで5、6番手。それでも上位に食い込むためには、他と違うことをしないといけない。それは選手たちにも認識してもらいたい」
 
 昨季は自動昇格を目前で逃し、J1昇格プレーオフで敗れ涙を呑んだ。そして迎えた反町体制6年目、記録的な寒波に見舞われたものの、鹿児島での2次キャンプは充実している様子だ。待望のJ1復帰に向けて、ベースは固まりつつある。
 
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)