2016年、日本に数度出張した。いずれも東京国際空港(羽田空港)を利用したが、そのたびに、羽田空港の「驚くべきレベル」の清潔さに非常に感嘆させられた。資料写真。

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2016年、日本に数度出張した。いずれも東京国際空港(羽田空港)を利用したが、そのたびに、羽田空港の「驚くべきレベル」の清潔さに非常に感嘆させられた。(文:ラルフ。 瞭望東方周刊)

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空港待合室には、淡い色の絨毯が敷き詰められており、常に清潔に保たれている。さらに、柔らかな光を灯す照明の効果で、空港ではなく、まるで広々とした心地よい図書館にいるかのような感覚にさせてくれる。疲れた時には、絨毯の上に寝そべることもできそうだ。このほか、羽田空港で最も際立ったスペースとして、「お手洗い」を挙げることができる。日本で2番目に大きい空港かつ最も航空機離発着回数が多い空港の一つである羽田空港は、1日の利用客数が1千万人以上に上るが、お手洗いは驚くほどの清潔さを常に保っている。地面に紙くずは一つも落ちておらず、便器から臭いが漂うこともなく、洗面台も人の姿が映るほどピカピカに磨かれている。

調べてみると、案の定、羽田空港は数年連続で、航空業界の専門メディアから「世界で最も清潔な空港」との評価を受けていた。私は、羽田がどのような経緯で「驚くべきレベルの」清潔な空港となったのかについて知りたくなった。

日本の友人らに訪ねてみたところ、彼らは、この奇跡は、一人の「模範的な従業員」新津春子さんによってもたらされたということを教えてくれた。空港の清掃スタッフを束ねる彼女は、国内で「カリスマ清掃員」と称えられている。

その後、ある友人が送ってくれた「新津清掃チーム」に関するメディア報道を読み、私は心の底から感動を覚えた。

例えば、彼女たちは、さまざまな材質の上に付着したさまざまな成分を含むしつこい汚れに対し、詳しく調べ、研究を重ねた。清掃作業中は、80種類以上の洗剤から、その汚れに最も適したものを選ぶ。また、損傷する恐れがある材質の場合は、布を使って優しく汚れを拭き取るという。

例えば、一般的なシンクの水垢は、クエン酸入り洗剤を用いる。ステンレス製以外のシンクは、アルカリ性洗剤を使う。お手洗いのタイルに付着したカビは、水と酢を3:1の割合で混ぜた液体をタイルに吹きつけ、さらにティッシュペーパーでしっかり押さえ、しばらく放置したのち、トイレ用クリーナでカビを擦り落とす。

なかなか取れないしつこい汚れがあった時は、たとえ何時間かけても、汚れを落とすことを諦めない。

彼女とチームメンバーによる研究と研さんは、「どのように床を掃除したら最も美しく見えるか」、「どの角度からガラスを拭くともっとも綺麗になるのか」など、普通では考えもしないような細かい点まで網羅するようになった。長年の経験によって、彼女たちは、空港を最も清潔な状態に保つための特別な掃除用具まで開発した。

NHKテレビは、「プロフェッショナル仕事の流儀 ―心を込めて、当たり前の日常を。 ビル清掃・新津春子」と題するドキュメンタリー番組を制作した。

これは私たちがいうところの「職人精神」だといえる。清掃という「たいしたこと」ではない、他の人にとってはささいなことを、まるで芸術を極めるように尊重かつ追求し、完璧なレベルにまで到達した。

これこそ、今の中国人にとって、日本人から最も見習うべき点だ。日本製品を「爆買い」するだけはなく、「日本人はどうしてここまでできるのか?」ということについて深く掘り下げるべきだ。

実のところ、羽田空港に限らず、お手洗いも含めた日本のほとんどの公共施設が非常に清潔だ。日本人の友人は、「多くの公共施設では、比較的高齢の『掃除のおばさん』が清掃作業を担当している。これらのおばさんは、掃除用具を携え、プロの厳しい目で埃や汚れを見つけるとすぐに拭き取る。彼女たちの責任感は極めて強い」と教えてくれた。

新津春子さんはかつて、取材に対して、「中国の空港を訪れたことがあるが、中国の清掃員に最も欠ける点は『意気込み』であると感じた」とコメントしていた。

この点に共感する人は多いであろう。「メイドインチャイナ」を一目置かれる存在にしたい、かつて讃えられた「職人魂」を復活させたいというのなら、中国人の職人がまずすべきことは、新津春子式の「意気込み」とプロとしての「プライド」を持つことだ。(提供/人民網日本語版・編集KM)