恋、結婚…現状打破に必要なものは?タラレバ娘たちに贈る自己実現の心理学

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話題のドラマ『東京タラレバ娘』(日テレ系)をご覧になっている方も多いことでしょう。

主人公の倫子とその親友の香、小雪は、ちょくちょく集まって「女子会」を催しています。

そして
「あのとき、ああだったら…」
「もっと、こうしていれば…」
など、タラレバを言って盛り上がる日々。

そんな三人は、年下のイケメン男性に「タラレバ女!」と言われてしまいます。

■誰の心にもタラレバはある


彼が言う「タラレバ女」とは、高い理想を掲げて夢物語をするばかりで、根拠のある行動を取ろうとしない女性のことです。

ドラマほどでなくとも、誰だって
「あのとき、ああだったら…」
「もっと、こうしていれば…」
と考え、それに至ってない現実に落ち込んでしまった、なんてことはあるんじゃないでしょうか。

思うようにならない現実。理想とのギャップ。せめて夢だけは、好き勝手に思い描きたいですよね。

とはいえ、タラレバを言うだけで何もしていないのは、良い状態とはいえません。
今回は「タラレバ娘」な人々に向け、現状を打破するためには何が必要なのか、自己実現の心理学を解説しようと思います。

■「今」はゴールではなく過程


落ち込んでしまうのは、現在を「ゴール」と捉えて過去を見つめ返しているからなんですね。
今というゴールと、思い描いていた理想的なゴール。
この違いがクローズアップされて、不安・落ち込み・自信喪失が生まれるのです。

しかし現在は、「ゴール」ではなく「過程」に過ぎません。
つまり途中経過の段階で今までのやり方では問題が生じている、それがわかったというだけなんです。

山の頂上に向かうのに、Aのルートでは進めないことが判明しました。
ではどうすればいいかというと、

・違うルートを探して頂上を目指す
・一旦戻って、登るべき山そのものを変える

などの選択をすることになるでしょう。
自己実現も同じで、

・今までとは違うやり方を考えて実行する
・一旦今までの理想を棄て、違う理想にシフトする

といった方法で、先に進むことが大事なのです。

■自己実現に必要なもの


違う理想を掲げるのは、なかなか難しいもの。
大概の人は、今ある理想に進むための工程を見直すことになるでしょう。
その際に必要なのは、「プロセスの細分化」と「コンピテンス」です。

「結婚したい!」「愛されたい!」という漠然とした願いだけでは、次に進むべき一歩は見えてきません。
どうしたらいいか、何をしたらいいか、理にかなったプロセスを考える必要があります。

無茶な計画を立てても意味がないので、自分ができる範囲で細かい計画を立てるんですね。

最初はハードルが高くないものにし、自分に無理を課さない。
小さなハードルを越えていく中で実力がついてきたら、少し高いハードルに挑戦する。

どのようなハードルを並べていくか、自分とじっくり相談しながら決めましょう。

そして自己実現を支えるのは、コンピテンス、つまり「有能感」です。
こちらは自分が学んだこと、得たことを、必要なときに効果的に発揮できると思えること。

ハードルを越えられたという実績が増えれば、コンピテンスは向上されていきます。
コンピテンスの向上は自信を生み出し、さらなる高みへとステップアップするための活力となるのです。

■まとめ


タラレバ娘たちに贈る自己実現の心理学、ご理解いただけましたでしょうか。

今を悲観して嘆くのは、結局ただ楽をしているだけ。
第三者や運命の力で、自分の都合のいいように勝手に変わっていってくれるほど、現実は甘くありません。

何かを変えたいなら、「タラレバ」ではなく「どうすべきか」「何をすべきか」を見つめましょう。
視点を切り替え、自分を変えていく勇気を持って行動すること。
それが、理想を引き寄せることにつながっていくのです。

ライタープロフィール


黒木蜜
一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
黒木 蜜〜中今の詩〜