靴下で人を前向きな気持ちに、米で起業した日系4世の挑戦

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前向きな言葉の力を信じている──カラフルでおしゃれな「心に響く」靴下を販売するポージー・ターナー(Posie Turner)の創業者、レスリー・オオタはそう語る。

同社の靴下には、元気づけてくれるようなメッセージのほか、「良い面を見よ」「何も恐れるな」といったスローガンのような言葉が縫い込まれている。

品質の高さで知られるぺルヴィアンピマ・コットンを使ったこれらの製品は、ペルーにある家族経営の小さな工場で生産している。オオタはその一家と出会うまで、同僚と共に世界各地の何十軒もの工場を回った。

「エシカル(倫理的)な基準に従って高品質の製品を作るということを理解してくれ、私自身がつながりを感じられる人が経営する工場を見つけるということが非常に重要だった」そういうパートナーと出会うことができて、幸運だったという。

同社はまた、利益を社会に還元することも忘れない。地元のため、平等の権利ため、人々の健康のために活動する団体に、利益の10%を寄付している。

「将来の世界をより良くしたい。ささやかな方法でも、ポージー・ターナーにそれができればと願っている」

大好きなものを一つに

オオタは子どものときから、やる気を起こさせてくれるような言葉と、靴下がどちらも大好きだった。中学生のころから、まず靴下を選んで着る服を決めていた。

「選ぶ靴下で、その日の気分が決まることが多い・・・どんな自分でも、なりたい自分になれた。靴下がいつも気持ちを引き上げてくれた」

その大好きな2つのものを通じて他の人たちを元気づけることが可能だと気付いたことをきっかけに、オオタは2015年に同社を立ち上げた。開店して以降は、商品を購入した人たちの言葉や、嬉しい出来事についての知らせが、彼女にとっての大きなやりがいだ。

「恐れるな、と書かれたソックスをはいて出場したクロスカントリーのレースで、子どもが自己ベストを記録した」「妥協を許すな、という言葉が入った靴下をはいて、今日新しい職場に初出勤した」──顧客からは、こうした言葉が寄せられている。

人生を変えた起業

日系米国人4世で同性愛者であるオオタは、起業するまではあまり自分のことを人に話したくないと思っていた。だが、この仕事を始めたことをきっかけに、もっと自分のことを人に分かってもらう必要があると考えるようになったという。

「・・・最善を尽くそう、自分自身に正直になろう、という気持ちを引き出すことができるような、私たち皆が心地よいと感じられるようなブランドを築きたい」

「店に来る人たちには・・・誰にでもその人自身の基盤があり、過去があり、それまでの道のりがある。私たちはそうしたことの価値を理解しているということを、知ってもらいたい。他の人と少し違う、弱者である、少し変わっている、これらがどういうことかも分かっている。そして、こうしたことには良い点がたくさんあるということも」

挑戦は楽しい

経営者であることで、孤独を感じることもあるというオオタは、それまでファッションや製造業に関わったことがなかった。そのため、会社に起きる突発的な事態や、直面する課題を予測することができなかった。だが、それでも他の仕事に就きたいとは思わない。学ぶことも、何かに挑まれることも大好きなのだという。

「この仕事をしていこうと決めてから、(色々なことが)それまでよりずっと明確になった。私は今の仕事が大好きだ」

人生の目標を仕事にしたいと考える人たちに送る言葉があるかと尋ねると、オオタはこう答えてくれた。

「こうあるべきだという先入観を捨てて、自分自身を知ること…異なる文化や人々、物の見方、生活習慣を受け入れること。心を開いて、嫌だと思うこともやってみること。自分にできることがあるとすれば、それは何かと問いかけてみること。そして、それに(あるいはそれに近いことに)全力で取り組んでみること。私たちは一つ一つ何かを選択しながら、人生を歩んでいるのだ」