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みずほフィナンシャルグループと三井住友トラスト・ホールディングスが、傘下の資産管理銀行の統合に向けて交渉に入った。その背景には、銀行のビジネスモデルの変化があった。(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)

「金貸しが金を貸さないで何を商売するのか」──。1月4日、全国銀行協会の賀詞交換会で麻生太郎財務・金融担当相は、出席していた3メガバンクの首脳らに向かって苦言を呈した。新年早々にさく裂した“麻生節”に対して、銀行関係者たちは苦笑いするしかなかった。

 ただ、銀行業界では“金貸し”、つまり融資事業のことばかり考えてはいられない事情があった。そんな事情を映す鏡となったものが、1月中旬に明るみに出た、みずほフィナンシャルグループ(FG)と三井住友トラスト・ホールディングス(HD)による傘下子会社の統合交渉だ。有価証券の保管・管理業務などを行う資産管理銀行の統合の検討に入ったのだ。

 そこで、当事者の1社であるみずほFGを題材に、その背景にある「銀行業界の事情」に迫りたい。

 まず、みずほFGの業績を見てみよう(図(1))。2015〜16年(各3月期)を振り返ると、一般企業の粗利益(売上高−売上原価)に当たる業務粗利益は約2.2兆円で横ばい。当期純利益は6119億円から6709億円と増益だ。

 ただ、融資事業は不調だ。融資の原資である預金残高は113兆円から117兆円に増えたが、貸出金残高は約73兆円でほぼ横ばい。融資事業の利益に有価証券運用益などを加えた資金利益は、1.1兆円から1.0兆円に減益だ。

 それと対照的に業績が右肩上がりなのが、役務取引等利益+信託報酬だ。役務取引等利益とは、金融商品の販売や株式・債券の発行、顧客への助言といった手数料ビジネスで得る収益のこと。信託報酬とは、資金や土地などの財産を管理・運用して得る収益だ。

 ここで、みずほFGの業務粗利益とその構成項目における長期トレンドを見ると、年によって上下はあるが、直近2期と同様の傾向が見て取れる(図(2))。

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