韓国の次期大統領選の支持率でトップを走る最大野党「共に民主党」の前代表・文在寅氏。「次の大統領に最も近い男」だが、日本を見る目は厳しく、保守陣営からは「北朝鮮より」との批判もある。写真は韓国大統領府。

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2017年2月10日、韓国メディアがこぞって「次の大統領に最も近い男」と呼ぶのは、最大野党「共に民主党」の前代表・文在寅氏だ。前回12年は朴槿恵大統領に惜敗したが、今回は支持率調査でトップを独走し、雪辱を期す。日本を見る目は厳しく、保守陣営からは「北朝鮮より」との批判もつきまとう。

聯合ニュースによると、世論調査会社リアルメーターが6日に発表した次期大統領選有力候補の支持率調査で、文氏は31.2%と、前週から2.8ポイント上がった。5週連続の首位だ。2位は「共に民主党」所属の安熙正・忠清南道知事が13.0%、これを黄教安・大統領権限代行首相が12.4%で追っている。リアルメーターは潘基文・前国連事務総長が1日に大統領選不出馬を表明した後、文氏の「1強体制」になった、としているという。

6日付の東亜日報に掲載された支持率調査結果では、文氏が28.7%、安氏は12.9%。3位は黄首相で10%だった。6日付のハンギョレ新聞が伝えた調査結果でも、文氏が30.2%とトップで、安氏は14.1%で2位に付けた。

文氏は学生運動の活動家出身。朴正煕政権に反対する運動に参加して逮捕され、釈放後、兵役を経て慶煕大学校を卒業して司法試験に合格した。1982年、弁護士だった故盧武鉉氏と共に法律事務所を開設し、全斗煥政権時代には民主化運動に取り組んだ。

2002年12月に行われた大統領選挙に盧武鉉氏が立候補した際は、釜山の選挙対策本部長を務め、翌年に左派系の盧政権が発足すると、青瓦台(大統領府)入りし、大統領秘書室長などを歴任、盧氏の側近として活躍した。

12年の大統領選挙には野党系の統一候補として出馬。朴槿恵大統領との一騎打ちになったが、接戦の末、敗れた。その後は「共に民主党」代表となったが、短期間で辞任。昨年10月に次期大統領選への再出馬を事実上宣言した。

文氏をめぐっては、盧政権の外交通商相を務めた宋旻淳氏が回顧録の中で、07年11月18日に盧大統領が主宰した会議で、国連の北朝鮮人権決議案への賛成を求める宋氏と棄権を支持する出席者らの間で論争が激化。大統領秘書室長だった文氏が南北ルートを使って北朝鮮の立場を確認するとの結論を出し、棄権したことを暴露した。与党の「セヌリ党」などは「北と内通した」と文氏の対応を問題視している。

対日姿勢も他の大統領選候補者と同様に強硬。15年末の慰安婦問題に関する日韓合意や日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の見直しを主張している。昨年7月に竹島(韓国名・独島)に上陸したほか、今年1月には釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦を象徴する少女像を訪れている。(編集/日向)