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挑戦的な料金設定で仕掛ける「DAZN for docomo」の戦略とは?

NTTドコモは8日、スポーツ専門のライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」を運営しているPerform Groupと提携し、新たに「DAZN for docomo」を発表しました。サービス開始は2月15日(水)からで、NTTドコモと契約中の場合は月額980円(動画配信サービス「dTV」とのセットで200円引きの1,280円)、NTTドコモとの契約がない場合は月額1,750円(dTVとセットで月額2,050円)となります。

インターネット回線を用いた動画配信サービスやライブストリーミングサービスは日本でも数年前から普及し始め、スポーツ専門のストリーミングサービスではソフトバンクの「スポナビライブ」などが有名ですが、まだまだ一般に広く浸透しているとは言い難いようにも思われ、今回の新サービスはそういった発展途上とも言えるスポーツ配信サービスへのアプローチとなります。

DAZNの通常月額料金1,750円に大して大幅に価格を抑えてきた点に注目が集まる本サービスですが、その意図や狙いはどこにあるのでしょうか。発表会の模様とともに解説します。

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さまざまな端末での視聴が可能な「DAZN for docomo」


■「いつでも、どこでも、何度でも」
発表会冒頭に登壇したNTTドコモ代表取締役社長の吉澤和弘氏は「スポーツ観戦を多様化していく」と力強く切り出すと、続けて「いつでもどこでも何度でも楽しめる配信サービスをめざす」として本サービスの発表を行いました。

DAZNサービス自体はすでにPerform Groupが2016年8月より日本国内でのサービスを開始しており、Jリーグの2017シーズンの放映権を取得して全試合生中継すると話題になっていましたが、今回の「DAZN for docomo」はその新たな展開としての位置付けになります。

本サービスではサッカー(Jリーグやブンデスリーガ、セリエAなど)や野球(広島東洋カープや横浜DeNAベイスターズ、MLBなど)、バレーボール(Vリーグなど)、モータースポーツ(F1など)など国内外130以上のスポーツを年間6,000試合以上配信する予定で、NTTドコモが提供するアプリやAmazon Fire TVなど対応が予定されているSTB製品で視聴できます。

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NTTドコモ代表取締役社長 吉澤和弘氏


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2020年の東京オリンピックへ向けてスポーツ熱を盛り上げていきたい雰囲気が伝わってくる


動画の視聴にはPCやスマートフォン(スマホ)、タブレット、家庭用ゲーム機などさまざまな媒体が利用でき、場所や媒体を問わず視聴できるのが最大の特徴です。画質は9割近くの配信でフルHD(1080p)を実現しており、快適な視聴環境が得られるとしています。

LTE回線などを用いた場合は十分な回線速度が得られない場合もありますが、説明員によれば配信時の画質は回線速度によって自動的に調整され、5Mbps程度が確保できればSD画質(480p)で、9Mbps以上であればフルHDでの視聴が可能とのことでした。

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Xbox 360やPS4といった家庭用ゲーム機でも本サービスを楽しめるのは面白い


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動画はライブストリーミング以外に見逃し配信にも対応している


発表会後半ではDAZN CEOのジェームズ・ラシュトン氏も登壇し、急成長を遂げるDAZNサービスの日本展開と本サービスの魅力について「スポーツの楽しみ方に革命を起こします」と自信を見せていました。

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DAZN CEO ジェームズ・ラシュトン氏


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日本人の視聴環境を精査すると「自宅で腰を据えてゆっくり視聴する」というリビングスタイルであることが読み取れる。DAZNがNTTドコモと提携した理由には伸びしろの大きなモバイル視聴に力を入れていきたいという意図があるのかもしれない


トークセッションでは日本プロサッカーリーグ チェアマンの村井満氏や日本バレーボールリーグ機構 代表理事会長の嶋岡健治氏、JリーグOBの北澤豪氏、各企業のバレーボールチームの選手などが登壇し、「ドコモとの提携によって多くの人にスポーツを楽しんでもらいたい。感動のフィールドが広がっていくのではないか」(北澤氏)と語る場面もあり、本サービスが持つスポーツ振興への貢献について期待を寄せていました。

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ファンを獲得しファンの応援を背負って邁進することこそがスポーツ界の至上命題であり、そのための媒体としての本サービスに掛ける期待は大きい


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「きゅ、きゅ、980円ですか!?」といつもの軽妙さで会場の笑いを取る北澤氏


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少し恥ずかしそうにインタビューに答えるPFUブルーキャッツの江畑幸子選手(左)と岡山シーガルズの山口舞選手(右)


■スポーツ配信サービスはドコモが求める大容量コンテンツになり得るか
NTTドコモと言えば以前から動画配信サービスには積極的に力を入れていますが、2016年6月のNOTTVサービス終了などは記憶に新しいところでもあり、今1つ波に乗り切れない感もあります。DAZN for docomoはそういった中での発表であり、吉澤社長も「1年ほど前から両社で協議を続けていた」と囲み取材で語ったことからも、NOTTVでの失敗の穴を埋める形での新たな動画配信サービスが欲しかったという面があるように感じられます。

NTTドコモがここまで動画配信サービスにこだわる理由の1つには、データ通信の料金プランで収入を確保したいという思惑も見て取れます。2016年は格安料金の仮想移動体通信事業者(MVNO)サービスが一気にブームとなり、移動体通信事業者(MNO)は20GBや30GBといった大容量のデータ通信プランの料金を引き下げることで割安感を出し、MVNOへと流れるユーザーの引き止めを模索していました。

しかし現状ではその大容量を活かせるコンテンツが少なく、既存のdTVなどではユーザーニーズをカバーしきれない状況も生まれています。そこでスポーツ観戦というモバイルと相性が良く新たなユーザーニーズを掘り起こせるコンテンツを武器とするDAZNとの提携に踏み切ったのではないでしょうか。

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その固い握手の先にあるものとは


月額980円というチャレンジャブルな料金設定からもドコモの本気度が見て取れます。DAZN本体での月額料金は1,750円であり、世界的に見ても日本円にして1,500円前後の価格設定が多い中、ドコモの月額料金は一歩踏み込んだ安さがあります。

一方でソフトバンクも同日にドコモの後追いをする形でスポーツ配信サービス「スポナビライブ」の月額料金を通常3,000円から1,480円へ大幅に値下げし、ソフトバンクやワイモバイル、Yahoo! プレミアムなどで契約しているユーザーであれば月額980円とする対抗施策を打ち出してきました(月額980円のHD版の受付は終了となります)。

MNOにとって大容量のデータ通信を必要とするコンテンツの発掘と提供は月間電気通信事業収入(ARPU)維持のために急務の課題であり、動画配信サービスはその救世主とも言えますが、果たして一般消費者に「スポーツ観戦見放題で月額980円」という価格設定が受け入れられるのかが気になります。2020年の東京オリンピックへ向けたスポーツ振興との相乗効果も含め、今後の動向が非常に気になるサービスとなりそうです。

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東京オリンピックまであと3年。スポーツに熱狂を、モバイルに革命を。






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