韓国代表のウリ・シュティーリケ監督は、Jリーグの移籍情報を満足気に眺めているのではないだろうか。今オフもまた、韓国人GKがJリーグのクラブに買われていったからだ。

 韓国代表クラスのGKは、もれなく日本でプレーしている。

 昨年11月のロシアW杯アジア最終予選のウズベキスタン戦で、ゴールマウスに立ったのはキム・スンギュだった。16年からヴィッセル神戸でプレーする26歳だ。控えGKはクォン・スンテとキム・ジンヒョンで、前者は今年から鹿島アントラーズに加入した。後者はセレッソ大阪の守護神である。
 
 彼ら3人だけではない。川崎フロンターレのGKは、在籍2年目のチョン・ソンリョンだ。北海道コンサドーレ札幌には、22歳のク・ソンユンがいる。セレッソ大阪にU−18から在籍し、15年7月の東アジアカップ、16年のリオ五輪などを経験している。
 
 韓国人GKに興味を示すのは、J1のクラブだけではない。
 
 2度目のJ1昇格を目ざす松本山雅FCは、韓国人GKを高卒ルーキーとして招いた。若年層の代表経験があるゴ・ドンミンである。ファジアーノ岡山と愛媛FCには、在籍3年目の韓国人GKがいる。ザスパクサツ群馬も、20歳のGKをアマチュア契約で獲得した。
 
 国際的な視点に立つと、日本はGKが弱点と言われる。ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督も、合宿の招集人数を増やしてGK同士の競争心を煽ったり、GKだけの合宿を開いたりしている。ところが、代表へ選手を供給するJリーグでは、韓国人GKがかくも重用されている。
 
 ポジションは与えられるものではない。自らの力で奪い取るものである。ただ、GKは試合中の選手交代が例外的だ。「連戦だから」とか「システムを変えたから」といった理由で、優先順位が変わることも少ない。
 
 シーズンが始まれば明確な序列が出来上がっていくなかで、各チームが外国人GKを重用したら━━日本人GKがレベルアップする可能性が狭まってしまう。
 
 タイトルをつかむ、ACL出場権を得る、J1残留を果たすといった目標を達成するために、外国人選手を補強するのは批判や非難を寄せつけない。チーム作りの方法として正しいものだ。その一方で、日本人GKが切磋琢磨する機会はしっかりと確保したい。短距離では日本代表の強化のため、中長距離では才能を確保するためである。 
 
 日本人GKがJリーグで活躍し、脚光を浴びれば、「GKを目ざそう」と考える子どもたちが増える。川口能活をアイドル視した西川周作や中村耕輔が、日本を代表するGKとなってきたように、である。GKの魅力を日本人が発信する日ことで、次代のタレントをこのポジションに惹きつけることができるのだ。
 
 Jクラブのチーム作りと日本人GKのレベルアップを両立するために、何らかのルールを導入するのはどうだろう。たとえば、GKの獲得に年齢制限を設けるのだ。若い日本人GKがJリーグから押し出されないために、「外国人GKは23歳以上でなければ獲得できない」といったルールを設けるのだ。
 
 Jリーグからの配分金が、今シーズンから増加される。ビッグネームの獲得に資金を注ぎこむクラブがあれば、将来性のある若手に投資するクラブも出てくるだろう。どちらのパターンでも、韓国人GKは格好のターゲットに成り得る。それだけに、何らかのルールを求めたいのである。