お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指す【脱貧困診断】。今回の相談は、販売員の笹本瑛子さん(仮名・30歳)さんから。

「引っ越しをしたいと思っています。いい物件があればいつでも、と思っているのですが、3月に出る物件は高いと聞き、もったいないのかなあと思い始めました。いつごろまで待つのがベストですか? また、不動産屋さんが契約をとりたい“おすすめ”ではなく、私のためのいい物件を紹介してもらいたいんです。私が、知っていないと相手にナメられる制度などあれば教えてください」

森井じゅんさんに教えていただきましょう。

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物件探しのおすすめ月は5月から8月

4月から新生活を始める人が多いため、賃貸物件業界・引っ越し業界ともに、1月から3月は繁忙期。その結果、不動産屋さんの対応を不十分に感じたり、いいなと思う物件を見つけても、タッチの差で入居者が決まってしまていたりする場合も少なくありません。1月から3月は、物件が豊富というメリットがある一方で、物件の細かな確認や値下げ交渉がしにくいなどといったデメリットがあるのです。

そして、4月中には大半の引っ越しが終わり、5月からオフシーズンに入ります。9月は人事異動の発表があったりして、不動産業界は再びオンシーズンに。このことをふまえると、物件佐橋のおすすめ月は、5月から8月ということになります。

オンシーズンは引っ越し代も高い

引っ越し屋さんの繁忙期となる3月は、引っ越し料金も非常に高くなります。オフシーズンの数倍となるケースも。さらに、希望日時が指定できないという状況も発生します。
オフシーズンなら、引っ越し屋さんにも余裕があり、柔軟に希望時間を聞いてくれたりします。オフシーズン中でも、引っ越しは月末に集中しがち。月末を避け、平日を狙うことでさらに引っ越し費用を安くすることが可能です。

また、引っ越し料金は、業者によってまちまちです。少なくとも3社以上の見積もりを取って、比較検討することをお勧めします。

手厚い対応を受けたいならオフシーズン狙いで

オフシーズン中は、不動産屋さんも暇になり、部屋探しをする一人ひとりにより丁寧に対応してくれます。いろいろな質問にも答えてくれることで、物件の初期費用という、大きな出費に伴う不安も減りますね。値下げ交渉もしやすいですよ。
また、家賃の更新のタイミングで引っ越しを考える人が圧倒的に多いのです。今回オフシーズンに引っ越しをすると、更新のタイミングもオフシーズンとなり、次に引っ越しをするときにも、繁忙期を避けることができます。

引っ越しの流れ

気に入った物件が見つかったら、いよいよ手続き!  です。まず、この手続きの基本的な流れを知っておきましょう。

入居申し込み→入居審査→契約・必要書類提出→鍵の引渡し→引っ越し!

入居申込みでは、「入居申込書」の記入を行ないます。この審査は申込人本人が家賃を支払っていくことができるかという審査で、通常数日から1週間かかります。申込書には勤務先や年収等を書くだけでなく、身分証のほか、源泉徴収票など、収入を証明する書類も必要です。

連帯保証人についても、その勤務先や年収などを記載することになるのが一般的です。不動産屋さんによっては審査が厳しく、さらに特定の書類を求められたり、連帯保証人の収入証明も必要となることもあります。

この審査の間、物件を仮押さえしておくために「申込金」が必要となる場合があります。相場は家賃の1月分以下で、審査が通らなかったり契約成立に至らなかった場合には返金されるものです。返金を渋る不動産屋さんもありますが、申込金は預けているだけで返してもらえるものなので、しっかり預かり証を保管しておきキャンセル時等には返金を求めましょう。

審査に通ったら契約。担当者から重要事項の説明を受け、契約書に捺印します。

このとき、重要事項は必ずきちんと聞いておいてください。特に修繕費用の負担については、しっかりと。退去の際、トラブルの大きな原因になりかねません。

また、賃貸契約の際、初期費用として支払うお金の用語は、確認しておきたいところ。敷金や礼金、仲介手数料、前家賃、火災保険料などです。これらはすでに、この連載で説明しているので、読み返してみてくださいね。

私だけのいい物件を紹介してもらうには?

「わかっていないとナメられる」と、あまり気負わないでください。不動産屋さんは物件探しのプロ。私たちより事情に精通しているのは当たり前です。気負うばかりに知ったかぶっても、よくありません。理解せずに話を進めてしまうことで、後で損をするのは自分ですから。また、用語・制度・契約内容についても、分からないことは分かるまで教えてもらう、という姿勢で話を聞いてください。

細かい希望・条件をしっかり伝える

家賃の目安だけを伝えて、「物件を紹介してください」とお願いすれば、どうしたって不動産屋さんのおすすめが出てきます。それは不動産屋さんがいじわるをしているのではなく、価値観やポイントは人それぞれだからです。わからないから、その結果、「不動産屋さんおすすめ」がでてくるのです。

「私のためのいい物件」を紹介してもらいたいなら、「自分が譲れない条件」を意識して不動産屋へ明確に伝えることが必要です。「私のためのいい物件」は「私」にしかわかりません。そして、それを伝えなければ相手はわからないのです。自分が大事に思っていること・譲れない条件をしっかりと考えて伝えて、「私のためのいい物件」を見つけてくださいね。

固定費はできるだけ抑えたいというのが、働くアラサーの願い。



■賢人のまとめ
値下げ交渉をする場合には、〇〇してくれたら借ります、と借りる前提で交渉するのが賢い方法。また、入居申し込み後、成立した交渉をひっくり返す値引き交渉はルール違反ですので注意してください。

■プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。