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日産自動車が販売台数を伸ばしている。特に順調なのは、いわずと知れた自動車の2大市場である中国と米国だ。仏ルノーとのアライアンスには、販売台数100万台規模の三菱自動車が加入。全体としては、ついに“1,000万台クラブ”への仲間入りが見えてきた。

○通期見通し達成に自信

日産の2016年度第3四半期決算を見ると、売上高は期初から第3四半期までの9カ月累計で8兆2,600億円、営業利益は同5,032億円となっている。売上高は前年同期に比べ7.6%の減少で、営業利益についても同14.3%下げているが、これは為替が円高に振れた影響が大きいためだ。期初に発表した2016年度の通期見通しは売上高11兆8,000億円、営業利益7,100億円となっているが、カルロス・ゴーン社長は「達成する自信がある」とコメントしている。

一方で、自動車の販売台数は伸びている。9カ月累計は399万台と前年同期比2.6%の増加。特に好調だったのが中国と米国だ。

○米国でトラック系の比率が上昇

世界最大の自動車市場である中国では、インフィニティを含め販売が好調。2016年度の9カ月累計を見ると、日産の販売台数は前年同期比8.2%増の92万9,000台だった。しかし中国では、全体の自動車需要(全需)が前年同期比13%増の1,859万台に拡大したため、日産の市場占有率は同0.2%減の5%に下がった。中国での販売台数は増加基調にあるが、市場全体の伸び率には追いついていないというのが現状だ。

北米では「ローグ」と「アルティマ」が販売を牽引。米国の販売台数は、2016年度の第1四半期から第3四半期までの累計で前年同期比4.2%増の116万4,000台となった。メキシコでは前年同期比17%増の31万3,000台で同国トップの座を維持している。

米国の自動車需要は、セダン系からSUVを含むトラック系にシフトしているため、セダン市場では販売競争が激化している。日産は「セダンの比率が高い」(決算会見に登壇した田川丈二常務執行役員)ため、販売奨励金(インセンティブ)の負担が影響し、同国の収益力は低下しているという。

ただし米国では、「タイタン」、「アルマーダ」、「ローグ」などのヒットで日産の販売台数に占めるトラック系の比率が上昇している。2015年度まではセダン系が55%〜60%という割合だったが、2016年度の9カ月累計ではセダン系とトラック系の比率が拮抗し、この第4四半期はトラック系が54%へと上昇してセダン系を逆転する見通しだという。とはいえ、米国市場全体で見た場合のトラック系の割合はもっと高いらしい。

日産も販売を伸ばしているが、アライアンスを組むルノーは、2016年暦年で前年比13.3%増の318万台と更に好調だ。このアライアンスには、2016年秋に日産が株式34%を取得した三菱自動車が加入。アライアンスに参加する日産、ルノー、三菱自、露アフトワズの販売台数を合わせると、2016年暦年では約996万台のクルマを販売したことになる。トヨタ自動車、独フォルクスワーゲン、米ゼネラル・モーターズ(GM)と並び、日産・ルノー陣営も“1,000万台クラブ”の仲間入りを果たした格好だ。

クルマの知能化や電動化など、自動車業界で最先端技術に対応するには資金力を含めた一定の規模が必要とされる。自動車ビッグ4の一角に躍り出た日産陣営が、どのようなポジション取りを進めていくかには、今後ますます注目が集まるだろう。

(藤田真吾)