日本人横綱に対する期待は大きい

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 日本出身の新横綱が19年ぶりに誕生し、稀勢の里の顔をメディアで見ない日はないといっていいフィーバーが続いている。待望の「ガチンコ横綱」誕生だが、次の場所では、白鵬、日馬富士、鶴竜のモンゴル3横綱を中心としたモンゴル包囲網が稀勢の里をつぶそうと向かってくることが予想される。折しも1月31日にはモンゴル出身の元小結・時天空が悪性リンパ腫のため亡くなった。

「白鵬に苦言を呈することができる数少ない先輩だった。時天空自身は帰化して年寄名跡を取得しており、“郷に入っては郷に従え”という考えで、白鵬の主張するモンゴル籍のままでの一代年寄取得には否定的だった。

 その死によって白鵬の心境にどんな変化があるかはわかりませんが、あらゆる手段を講じてモンゴル国籍のまま協会に残れるように動いた結果、手詰まりになっているのは間違いなく、すでに帰化を決断したという話も聞く。いずれにせよ、来場所以降も稀勢の里にズルズルと負け続けるようであれば、引退に追い込まれ、そのまま協会を去ることにもなりかねない」(担当記者)

 白鵬も稀勢の里も、来場所は「背水の陣」を強いられることになるのだ。それは、ガチンコのぶつかり合いが随所で見られるという意味でもある。千代の富士(先代九重親方、故人)の全盛時代に「中盆」として八百長相撲の黒幕を務めた板井圭介氏(元小結・板井)はこんな見方をする。

「いま、ガチンコでぶつかり合って一番強いのは間違いなく稀勢の里。昇進で自信をつけ、さらに強くなるはずです。かつての師匠であるガチンコ横綱・隆の里が千代の富士の天敵(幕内通算16勝12敗)として綱を張ったような力強い相撲が見られるでしょう」

 そう太鼓判を押した。

 新横綱・稀勢の里は部屋を襲う異変とモンゴル勢の包囲網を打ち破って、師・隆の里(先代・鳴戸親方)や貴乃花、大鵬らガチンコ横綱が果たした昇進場所優勝をたぐり寄せるのか。

※週刊ポスト2017年2月17日号