脳の血管にこぶができ、破裂するとくも膜下出血を起こす「脳動脈瘤(りゅう)」の進行を薬で抑えられることを京都大学のチームが突きとめ、米科学誌「サイエンス・シグナリング」(電子版)の2017年2月8日号に発表した。

現在は外科的な治療法しかなく、治療薬の開発につながるのではないかと期待されている。

破裂前の脳動脈瘤を持つ人は数百万人

京都大学の発表資料によると、脳動脈瘤は脳血管の分岐点で血管がふくらみ「こぶ」となる病気だ。死亡率が約50%のくも膜下出血の原因となっている。破裂前の脳動脈瘤を持っている人は全人口の数%おり、国内の推定患者は330〜550万人に達する。破裂を防ぐには、開頭手術やカテーテル(極細管)を血管に入れてこぶをふさぐ措置などをとらなければならない。

研究チームは、脳動脈瘤を起こしたマウスを使い、「こぶ」ができる仕組みを調べた。その結果、「マクロファージ」と呼ばれる白血球の一種が血管のふくらみに集まり、マクロファージの表面にある「EP2」というタンパク質が炎症物質を活性化させ、こぶを大きくしていることがわかった。「EP2」の働きを抑える薬をマウスに与えると、炎症反応が収まり、こぶの数が減った。

研究チームは発表資料の中で「脳ドックの普及により破裂前の脳動脈瘤が多く発見されています。現在は手術以外に破裂を止める治療法はありませんが、EP2の働きを阻害する新しい治療薬の開発を目指します」とコメントしている。