ついに開幕!『ジャンゴ(原題)』記者会見の様子!

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 現地時間9日、第67回ベルリン国際映画祭が開幕し、映画『神々と男たち』などの脚本家エチエンヌ・コマールの監督デビュー作『ジャンゴ(原題)/ Django』がオープニングを飾った。本作はコンペティション部門の作品として、日本から唯一同部門に選出されている、『うさぎドロップ』などのSABU監督が手掛けた新作『Mr.Long/ミスター・ロン』などと金熊賞を目指す。

 『神々と男たち』などの脚本家&プロデューサーとして知られるコマール監督が初めてメガホンを取った本作は、実在のジャズ・ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの困難な時代を描いた伝記映画だ。ベルギー生まれのロマ(ジプシーとも呼ばれる移動型民族)であるジャンゴは、ジャズ奏者として成功しパリを拠点にするも、第二次世界大戦勃発でドイツ軍が力を強め、演奏活動を制限されてしまう……。

 同日行われた会見には、コマール監督、主演のレダ・カテブ、相手役のセシル・ドゥ・フランスが登壇。レダは自ら演じたジャンゴを「時代に手酷い扱いを受けた人物」と評する。一方、ジャンゴの愛人役を演じたセシルは、この映画に参加した理由を「当時のロマの人達に何が起こったかをみんな忘れていますから」と語り、こうして貢献できた喜びを表した。

 そんなセシルふんする愛人は、いくつかの節目でジャンゴの運命を変えてしまうキーマンともなる存在だが、コマール監督によると史実を基にした役ではないそうだ。監督は「ジャンゴはモテ男で愛人もいたが、もちろん映画には創作した部分もあります」と明かし、続けて「ジャンゴの周りを母、妻、愛人という3人の強い女性が囲むというのが気に入ってね」とドラマを盛り上げる人物構成を考える中から生まれた役らしい。

 コマール監督は「音楽家を複雑な時代の中で見せたかった」と製作動機を口にし、「ジャンゴはヒーローではない。あの時代に音楽を続けていこうとしただけ。それが心を打つ」と本作をアピールした。第67回ベルリン国際映画祭は19日まで開催予定。今年の審査委員長は、映画『ロボコップ』や『氷の微笑』などを手掛けたポール・ヴァーホーヴェン監督が務め、世界各国から集められた名作が金熊賞を競う。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)