9日、韓国政府が豪州との通貨スワップの規模を従来の2倍に拡大することを決めた。韓国政府はその意図について明らかにしていないが、日本とのスワップ再開の協議が全面的に中断となったことを受けた措置である可能性が高いと分析する声が出ている。写真は韓国ウォン。

写真拡大

2017年2月9日、韓国政府が豪州との通貨スワップの規模を従来の2倍に拡大することを決めた。韓国政府はその意図について明らかにしていないが、日本とのスワップ再開の協議が全面的に中断となったことを受けた措置である可能性が高いとみられている。

韓国銀行は8日、豪州中央銀行と今月22日に終了するウォン・豪ドル通貨スワップ契約を20年2月7日まで3年延長し、規模も従来の約2倍に当たる100億豪ドル(約9兆ウォン、約9000億円)に拡大すると発表した。

豪州との通貨スワップの規模拡大について、韓国政府は「韓国が先に要請したが、日韓通貨スワップ協議の中断に対する代案として豪州を選んだのではない」と明らかにした。また、韓国銀行のソ・ボングク国際局長も「今回のスワップ拡大の協議は日韓のスワップ問題とは別に進められた。豪州の信用格付けが高い点、豪ドルが国際通貨である点から、今回のスワップ規模の拡大が韓国の金融安全網の強化に大きく寄与すると期待している」と説明した。

しかし、今回の発表が日本との通貨スワップ再開に向けた協議が中断された後に出されため、韓国内では「日本とのスワップ再開協議中断に対する補完策だ」との指摘も出ている。日韓通貨スワップは01年7月に初めて締結され、15年2月に終了したが、韓国政府の要請により昨年8月に協議が再開された。しかし、日本政府が先月6日に釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置されたことへの対抗措置として協議の中断を発表したため、行き先の見えない漂流状態が続いていた。これに対し、専門家からは何らかの措置を取るべきだとの指摘が相次いでいた。淑明女子大のシン・セドン教授はファイナンシャルニュースの取材で「日本との通貨スワップ協議の中断を残念に思うのなら、米国や中国などの他の国と多角的にスワップを締結するべきだ」と指摘していた。

しかし、通貨の効用の面で豪ドルは日本円に大きく及ばないというのが一般的な評価である。企画財政部関係者は「実際に世界の為替市場で取り引きされる貨幣や各国の外貨保有高の構成割合を金額基準で見ると、米ドル、ユーロ、日本円の順」とし、「外貨保有高全体における豪ドルの構成割合は世界6位程度」と明らかにした。

韓国が結んだ通貨スワップの中で交換対象が米ドルであるのはCMIMのみ。残りは全て相手国の通過と韓国ウォンを交換する方式である。そのため、豪州との通貨スワップの規模が拡大されたにもかかわらず、韓国内では「韓国の立場からすると、日本との通貨スワップ協議の中断のダメージがより大きい」と懸念する声が出ている。韓国の専門家の間では日本との通貨スワップ協議の再開を肯定的に評価する声が多かった。延世大経済学部のソン・テウン教授はヘラルド経済とのインタビューで「日韓スワップの再開は望ましい動き。スワップの再開で国際金融市場の不安定化に備えるべきだ」と述べていた。また、建国大のオ・ジョングン教授も「経済協力強化の面で日韓スワップの再開は当然であり望ましい。対外リスクの増加に備え、金融だけでなくマクロ経済政策でも日韓はより実質的な協力を強化しなければならない」と主張していた。(翻訳・編集/堂本)