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by Mike Reeder

アメリカ空軍はイラク、シリア、アフガニスタンにおいて、「イスラム国(IS、イスラミックステート)」を称する組織やアルカイダ、タリバンに対して空爆を行って、戦闘員を多数殺害しています。しかし、これまでに公式に発表されてきた数字には含まれていない空爆(空襲)が合計で数千回は存在することを、軍事の話題を扱うニュースサイト・Military Timesが指摘しています。

The U.S. military's stats on deadly airstrikes are wrong. Thousands have gone unreported

http://www.militarytimes.com/articles/airstrikes-unreported-syria-iraq-afghanistan-islamic-state-al-qaeda-taliban

アメリカ空軍は毎月の出撃回数や空輸回数、空輸した物資・人員の量などをレポートとして公開しています。

Airpower Summaries

http://www.afcent.af.mil/About/AirpowerSummaries.aspx

たとえば(PDFファイル)2017年1月31日分のレポートはコレ。

1ページ目には現在行われているイラクとシリアでの「生来の決意作戦」と、アフガニスタンでの「確固たる支援」&「自由の番人作戦」で、それぞれどういったことを行っているかという概要が記載されています。



2ページ目はアフガニスタンでの活動内容の報告。左上の欄は「出撃回数」と「1つでも兵器を使用した出撃の回数」を、右上の欄は使用した兵器の数を、下の欄は空輸回数や空輸トン数・空輸人員数・受傷救護出撃などの数を示しています。



3ページ目はイラク・シリアでの活動内容の報告。作戦が始まったのが2014年8月からなので、それ以前のレポートはありません。



Military Timesでは、議会や同盟国、軍事評論家、学術研究者、メディア、独立した監視グループなどの情報をもとに調査を行い、たとえばアフガニスタンでは2016年に記録されていない456回の空爆があったことを突き止めました。この種の記録外空爆は攻撃ヘリコプターやアメリカ陸軍の操作する武装ドローンによって行われたものだとのこと。

イラクとシリアでの空爆回数は空軍のデータでは合計で約2万3740回ですが、国防総省ではリストに「1万7861回」と掲載していて、約6000回分の空爆がなかったことになっています。国防総省が対イスラミックステートや対アルカイダの情報を更新するときは、この回数が少ないデータが引用されているとMilitary Timesは指摘しています。

匿名を条件としてMilitary Timesの質問に答えた軍関係者によれば、確かにAH-64 アパッチによる攻撃は計上されていないとのこと。ただしこの関係者は、数を隠そうとして行ってきたことではなく、過去そのような方法で計算してきたものが引き継がれてきただけだと語っています。

別の軍関係者は、AH-64 アパッチが地上部隊の支援として敵との接近戦闘を行ったとすると、これは「空爆」には含まないと説明しました。

また、さらに別の軍関係者は、陸軍の機体は空軍の命令系統下にないため、空軍の公表するデータには含まれないと語りました。ただし、「では、なぜ陸軍はその数字を公開しないのか?」という部分については答えがなかったそうです。