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NECは2月9日、都内で記者会見を開き、企業向けのSDN(Software-Defined Networking)事業を強化し、導入・運用負担を軽減する製品・サービスを提供するほか、中堅・中小企業向け市場への注力、インフラシステム構築事業者との連携強化によるSDN活用領域拡大などを行うと発表した。

今後、同社が有するSDN構築やネットワーク運用のノウハウを元にした「新マネージドWAN(Wide Area Network)サービス」など、導入・運用コストを軽減化するネットワークサービスメニューを順次提供する。

また、中堅・中小企業ユーザーへの導入促進を目的に従来のSDN対応製品(コントローラとスイッチ)で構成した場合と比較し、約10分の1の低コストで構築が可能なコントローラとスイッチの投入や、販売パートナーの販売・設計・構築・運用面のサポートを行う「SDNサポートセンター」を新設する。

冒頭、NEC スマートネットワーク事業部長の北風二郎氏は「われわれは、2011年にSDNスイッチ、2014年にSDNソリューション体系を発表し、現在ではSDNの導入・普及状況は飛躍的に変化している。これまで、SDNの価値を高めるためHPEやデルをはじめとしたスイッチベンダーとのオープンな協業、パロアルト、トレンドマイクロといったセキュリティベンダーのデバイスとの連携などに取り組んできた。また当初、SDNはデータセンター・オフィス領域などLANで使われるスイッチを中心としていたが、現在はWANでのSDNの提供にも対応している。近年、インターネットを使ったWANの利用は広がりつつあるものの、マネージメントは手間がかかるため課題が多く、SDNとWANを組み合わせた価値がグローバルで展開する製造業を中心に顕在化している。SDNの実績ベースの売り上げは前年比160%増となっており、600システムの稼働実績を有している。多種多様な業界で採用されており、昨年は自治体の導入が目立つ結果となった」と述べた。

そのような状況を踏まえ、同氏は今後のSDN市場の展望として「これまでSDNを積極的に導入していたのは運用課題とセキュリティ課題を抱える顧客が主だったが、今後は中堅・中小企業のネットワークにも拡大していくことが見込まれている。理由としては2つあり、1つはセキュリティに対するオペレーションは大小の規模にかかわらず同じ課題を持っている点、そして2つ目はIoT時代を見据え工場や店舗などでネットワーク利用の拡大が想定されている点だ」と説明した。

そこで同社では、「サービスの拡大」「製品ラインアップ強化」「パートナー支援の強化」「業種を越えた連携」の4つの施策に取り組むという。

サービスの拡大では、SDNの導入を容易にするため初期導入コストの低減やネットワーク運用管理の負荷軽減を実現するサービスメニューを順次、提供していく。また、回線・機器の提供からネットワークの監視・保守までをサービスとして一括提供するマネージドWANサービスに新たにWANのSDN運用支援をメニューとして加え、企業ネットワークの柔軟性・利便性・即効性を向上させた新マネージドWANサービスを提供。

さらに、Add-onとしてSDNコントローラ機能も提供する。これは、アプリケーションレベルの可視化を行うトラフィック可視化ツールと、サイレント障害検知や予兆監視を実現するネットワーク分析ツールで、新マネージドWANサービスとともに3月から提供を開始する。

製品ラインアップの強化については、価格が5万円(税別)のSDNコントローラ「UNIVERGE SDN Controller Lite」を2月28日に販売開始し、既存スイッチのQXシリーズは1年以内に全ラインアップをSDNに対応させていく。さらに、コントローラとスイッチを組み合わせ、サイバー攻撃の検知から対処までを自動化する。今後は音声の通信制御(音声品質制御)などへの拡張を予定している。

パートナー支援の強化に関しては、SDNサポートセンターを新設する。そしてセンターを通じ、SDNに関する技術情報の提供や客先提案の支援、システム構築の支援などを実施し、販売パートナー企業におけるSDNの設計・構築・運用をサポートしていく。

業種を越えた連携では、工場や店舗などの現場におけるインフラシステムの設計や構築に強みを持つ企業と、SDNに強みを持つ同社が連携し、仮説検証を通じた共創活動を推進することで、SDNを付加価値とした新たな現場ソリューションを創出・提供していく。同社では、これらの取り組みを進め、2017年度に企業向けSDNで300億円の売り上げを目指す考えだ。

(岩井 健太)