「消費者被害防止ネットワーク東海 HP」より

写真拡大

 ジャニーズ事務所関連会社、宝塚友の会、アマゾン、KDDI、NTTドコモ、薬師寺、ホノルルマラソンなど、これまで分野を問わず数多くの組織に申し入れ活動を行ってきた「消費者被害防止ネットワーク東海」という団体がある。

 2016年3月に行った宝塚友の会への申し入れは、会員規約にある「サービス適用期間中にご解約のお手続きをされた場合でも、残りの定期購読料は、お返しいたしません」とある条項を見直してほしいというものだった。これによって同年6月の新たなガイドブックでは、解約手続きの改訂が行われている。
 
 いくつもの成果を上げているネットワーク東海とは、どのような団体なのか。事務局に話を聞いた。

●ボランティア活動が主体

「消費者契約法の改正が2007年にあり、それに先だって、05年12月に愛知県を対象にして、『あいち消費者被害防止ネットワーク』という組織を発足させて、学習会や被害についての啓発活動を始めました」

 消費者契約法とは、不当な契約から消費者を守るための法律である。07年には、事業者により厳しく、消費者被害を防ぐ方向で改正が行われた。

「07年5月にNPO法人格を取得、10年4月に適格消費者団体という認定を受けました。これは事業者に対して申し入れができる団体ということです。岐阜県、三重県からも消費者の相談を受けておりましたので、13年6月に地域を拡大しまして、『消費者被害防止ネットワーク東海』に改名いたしました」

 取り扱う案件は、どのように選ばれているのだろうか。

「ほとんどは消費者からの情報提供によるものです。検討委員である弁護士が持ち込む案件もまれにあります」

 では、どのように運営されているのだろうか

「会員は約120人おりまして、弁護士や消費生活相談員の方々は、趣旨に賛同してボランティアで活動していただいております」

 消費生活相談員とは、試験を経て国家資格を取得したプロフェッショナルである。

●ジャニーズへの申し入れ

 ネットワーク東海の活動として最近世間の話題を呼んだ例としては、ジャニーズタレントのファンクラブを運営するジャニーズファミリークラブ(JFC)に昨年10月、ネットワーク東海が3点の申し入れを行った件が記憶に新しい。

 1つ目は、会員規約に「JFCは、本規約を予告なく改訂することがあります」とあること。これに、会員にとって不利益な改訂であったら中途解約を認めるなど、5点の条件を設けることを求めている。

 2つ目は、会員規約に「会員もしくは入会申込をした者が、各条件を満たしている場合でも、会員を退会処分とする場合があります」とあり、「退会処分とされた会員は、損害賠償請求等の一切の権利行使ができません」とされていること。これは消費者契約法8条にある「事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項」は無効とする、という定めに反しているので、改めることを求めている。

 3つ目は、会員規約に「会員が資格を喪失した場合、理由の如何を問わず、支払済みの入会金および年会費の返還はできません」とあること。これに対しては、契約の残期間に応じて会費の返還をするよう改めるよう求めている。いずれも、きわめて正当な申し入れだ。

 JFCからは昨年12月、回答書が届いている。合意に達し申し入れが終了するまでは守秘義務によって内容は明らかにできないが、改善には向かっているとのことだ。

 極めて頼りになる、ネットワーク東海。地域性の高い案件の場合は、他の適格消費者団体を紹介する場合もあるが、3県以外の日本全国からも相談は受け付けている。消費者にとって不当だと思うことがあったら、まずは相談してみたらどうだろうか。
(文=深笛義也/ライター)