日本循環器学会は、今年3月の学術集会を記念して循環器救急医療・災害対策委員会が監修した「循環器防災セット」(1セット5000円、税別)1000個を事前予約制で限定販売する。

 予約の締切りは2月15日(水)。一般市民も「第81回日本循環器学会学術集会」のホームページから購入申し込みが可能だ。

 防災セットには発電型LEDライトやホイッスルなどの防災グッズに加え、循環器学会監修ならではのツールが二つ入っている。心肺蘇生時に活躍する「人工呼吸用のマウスピース」と「災害時の循環器予防チェックリスト」だ。

 昨年4月に発生した熊本地震の記憶はまだ新しい。この地震では直接死の50人を上回る「震災関連死」が報告され、あらためて避難生活での健康管理の重要性が注目された。

 特に長期の車中泊による「エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)」が話題となったが、実は心不全や心筋梗塞、脳卒中が原因の「循環器疾患死」が最も多かったことは意外に知られていない。

 心臓や脳は心身のストレスに弱い臓器だ。食生活の悪化や睡眠不足は、血圧の上昇と血が固まりやすくなる傾向に拍車をかける。

 2011年の東日本大震災後に公表された「災害時循環器疾患の予防・管理に関するガイドライン」は医師向けだが、市民が避難生活で気をつける点も記載された。

 今回セットされた予防チェックリストも同じ内容で、(1)睡眠の改善(6時間以上)、(2)運動(1日に20分以上は歩く)、(3)良質の食事(食塩を控え、緑黄色野菜、果物、海藻類を1日3種類とれば理想的)、(4)体重(震災前から±2kg未満に)など循環器疾患の悪化を予防する8項目から成っている。

 現実の避難生活で全てを満たすことは難しいが、心がけるだけでもリスクを減らせるだろう。

 近い将来、南海トラフ地震や首都直下型地震の発生が予想される日本。長期的な避難生活に備え、大切な心臓を守る方法を覚えておこう。高齢者がいるご家庭ならなおさらだ。リストは「DCAP予防スコア」で検索、入手できる。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)