来年のロシア大統領選に出馬を表明しているアレクセイ・ナワリヌイは8日、横領罪に問われた事件の再審で、執行猶予付き禁固5年の有罪判決を受けた。ナワリヌイはそれでも大統領選に出ると言っている。

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ロシアの有力な野党指導者で弁護士のナワリヌイが、横領罪で初めて有罪判決を受けたのは2013年。彼がモスクワ市長選に出馬した後だったため、ロシア政府が汚名裁判をでっちあげたという見方が広がった。ナワリヌイは2015年まで自宅軟禁の処分を受けた。

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ナワリヌイが判決を不服として提訴した欧州人権裁判所(ECHR)は昨年、2013年の裁判が公正ではなかったとして判決を無効とし、6万7000ドルの賠償金をナワリヌイに支払うようロシア政府に命じた。

前回と同じ判決文?

だが、ロシアの最高裁判所が再審を決定。12月初旬に始まった今回の裁判で読み上げられた罪状は前回とまったく同じ。ナワリヌイと弁護士は、判決文は2013年のものと「コンマ」まで同じだったと語った。

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ロシアでは、有罪判決を受けた被告は大統領選に立候補できないため、ナワリヌイも出馬は不可能とみられる。だが彼は選挙活動を続ける決意だ。ツイッターに「ロシア政府が指示した今回の判決にとらわれず、今後もより良いロシアを目指して闘う」と投稿。さらにこう続けた。「プーチンと子分たちは、選挙で我々と対決するのが怖いんだ。対決すれば我々が勝つからだ」

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ナワリヌイの頼りは、国民が公職に立候補する権利を保障したロシア憲法の32条。だが辛うじて立候補できても、ナワリヌイが当選する確率はほとんどない。それでも彼は、ロシア人の心に何かを目覚めさせようとしているようだ。それが彼にとっての「政治的な勝利」だとでもいうように。

From Foreign Policy Magazine

エミリー・タムキン