Doctors Me(ドクターズミー)- 若い人が突然死を引き起こす原因とは? 関連する病気や症状を解説

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2017年2月8日(水)人気アイドルグループ「私立恵比寿中学」のメンバーの松野莉奈さん(18歳)が、8日朝に亡くなったことがわかりました。

死因に対し、SNS上では「急性脳症」や「インフルエンザ脳症」という誤った情報が拡散する騒動が起きたことが話題となっております。(参考)

急に訪れる突然死、そこに考えられる原因はどのようなものがあるのでしょうか。

今回ニュースとなった急性脳症の解説、突然死を招きやすい病気、突然死が起こりやすい特徴、予防対策などを医師に解説していただきました。

急性脳症とは


脳に急激な機能不全が起こり、脳に様々な危険な状態が引き起こされる病気のことです。

急性脳炎とは区別され、急性脳炎は髄液検査で炎症が認められる場合のみで、それ以外の場合が急性脳症とされています。

急性脳症の発症は、乳幼児期に起こることが多いことがわかっています。

原因


脳以外の場所で起きているウイルス感染などによって、炎症の際に体内で反応して作られるサイトカインやケモカイン、酸化ストレス等によって間接的に脳の障害を起こされて起こると考えられています。

低酸素状態、血糖値の著しい低下、電解質異常や何らかの化学物質による中毒、肝不全や腎不全、ウイルス感染によるものなど様々な原因がありますが、炎症を伴わない脳の浮腫が、共通点として挙げられると言われています。

症状


様々な原因により脳に浮腫が生じ、けいれんや意識障害の症状が現れ、付随して発熱や下痢、嘔吐などが起こります。

急性脳症による症状の初期症状として、元気がなくなったり、眠そうにしたり、目を開かなくなるなどの症状や、異常な興奮状態がみられることもあります。

初期症状の後に、けいれんなどの症状が現れることが多いとされています。

急性脳症に関連する病気


ウイルス性急性脳症


ウイルス感染によって中枢神経症状を呈するもので、インフルエンザ脳症もこれに含まれます。

インフルエンザ脳症


主にインフルエンザにかかった幼児が発症する病気で、けいれんや意識障害などの神経症状をはじめ、臓器不全になることもあります。

アデノウイルス脳症


特に夏場に流行する子どもの病気で、別名「プール熱」とも呼ばれます。

ウイルス性急性脳症に含まれますが、アデノウイルスの感染によっても起こることが知られています。

橋本脳症


甲状腺機能が低下することによって、粘液水腫が起こり脳症が起こるものです。

突然死の定義


それまで元気だった人が急に亡くなってしまうものをいいます。通常は、発症から24時間、つまり丸一日以内に死亡してしまうものを指します。

突然死の中でも、心筋梗塞や心臓弁膜症、心筋症などが原因となるものは全体の60%を占めるともいわれ、心臓突然死と呼ばれています。

突然死を招きやすい病気として、以下のような病気が挙げられます。

突然死を招きやすい病気


心筋梗塞


心筋に酸素を供給する役目を持つ冠動脈が詰まり、血流が阻害されることによって、心筋が壊死してしまう状態を指します。

心筋梗塞は胸痛が主な症状ですが、合併症として不整脈や心臓が破裂することがあり、突然死の原因となります。

肺梗塞


血栓が肺の血管に詰まる病気で、胸痛や息苦しいことが症状です。肺の大きな血管に詰まると突然死を起こします。

静脈瘤


静脈の壁がさまざまな原因により、伸びたり、曲がったりして薄くなり、血管が丸い玉のように膨らんだ状態を静脈瘤と呼びます。

足に静脈炎や静脈瘤のある人も、突然死のリスクがあります。

エコノミークラス症候群


下腿(かたい。膝から下)などの細い静脈の中で、血のかたまりができ、それが移動して肺の血管に詰まって肺塞栓症を起こすことをいいます。

飛行機のエコノミークラスなど、狭い空間に同じ体制で長時間過ごした時に生じやすいことからこのように呼ばれ、重症の場合はその場ですぐに心停止に至ります。

くも膜下出血


脳のくも膜の下部に出血した状態のことを言います。脳動脈瘤の破裂により引き起こされる場合がほとんどで、予兆なく突然起こることで知られています。

出血が多いとそのまま昏睡し、死に至る恐ろしい病気です。

ブルガダ症候群


アジア人の若い男性に多く、夜間の睡眠中に不整脈によって突然死することがあります。

ただ、心電図検査で見つけることができ、診断できれば、体に不整脈を止める機械を埋め込むことで突然死を予防することができます。

突然死が起こりやすい条件


突然死を起こしやすいタイプ


40代の男性に多いといわれることがあり、他にも過労やストレスなどが強い方、生活リズムや食事のバランスなどが悪い方はリスクがやや高いといえます。

突然死が起こりやすい時間帯、場面


どの時間帯でも起こりえますが、早朝には血圧が上昇しやすく、突然死が多いといわれています。

また、入浴前後は急な血圧変化が起こりやすいので脳梗塞、心筋梗塞などの危険があります。

突然人が倒れた場合の応急処置


すぐに救急車を呼び、医療機関を受診することが第一ですが、応急処置として以下の行動をとることも重要な場合があります。

1:意識を確認


まず、耳の近くで声をかけたり、肩をたたいたりして呼びかけ、意識の有無を確認してください。

この際に、症状を悪化させる可能性があるので揺さぶったりしないようにしましょう。

2:呼吸の確認


意識がないようであれば静かに仰向けにして、呼吸があるか確認してください。

顎を軽く上げ、鼻と口のあたりに顔を寄せて呼吸の有無を見て、呼吸が確認できなかったら、顎に当てていないほうの手をその人の額に当てるようにし、しっかり顎が上がるようにして気道を確保しましょう。

3:人工呼吸、心臓マッサージ


顎は支えたまま、反対の手で倒れている人の鼻をつまみ、自分の口で相手の口をふさいで空気を漏らさないようにして人工呼吸を行ってください。このとき、相手の胸の動きでしっかり空気が入っているか確認することが大切です。

場合によって、心臓マッサージ、あればAEDを使用してください。

突然死を予防するためにできること


それぞれ、非常に幅広い原因があるので一概には言えませんが、例えば突然死の原因のひとつでもある虚血性心疾患は、高血圧や高脂血症、糖尿病などが危険因子とされています。

また、運動不足や喫煙、ストレスなど、生活習慣と大きく関わっているといえます。そのため、規則正しい生活と栄養バランスのとれた食事、適度な運動ストレスをため込まないようにすることが大切です。

ウイルス性急性脳症などの場合は、避けきれない感染などもありますが、うがいや手洗いなどで可能な限りの予防対策が重要であると考えられます。

最後に医師から一言


今回のように、若い命が奪われるのは本当に痛ましいことです。

どのような方でも、突然死のリスクはありますので、健康診断で異常が見られた場合は、きちんと検査を受けて、早い段階で対処しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)