新生ロマンポルノ:ホラーの名匠・中田秀夫が描くレズビアンの審美的SM

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ジャパニーズ・ホラーの先駆者・中田秀夫監督が、初めてのロマンポルノ『ホワイトリリー』で深淵なるレズビアンの世界に挑んだ。

ロマンポルノの名匠・小沼勝監督の元で助監督を務めていた中田秀夫監督。本作『ホワイトリリー』は、今回のリブート企画の中でも最も往年の日活ロマンポルノへの敬愛を感じさせる一作となっている。

本作で映画初主演を飾った若手女優・飛鳥凛は、女性同士による濃厚なラブシーンを体現するため、共演の山口香虬里とともに美しいヌードを初披露している。中田監督が艶やかな女優陣と作り上げた、息を飲むような審美的なラブシーンの舞台裏に迫る。

-小沼勝監督に師事していた中田監督にとって、ロマンポルノの監督オファーは念願でしたか?

中田監督:すごく嬉しかったですね。僕はロマンポルノに憧れて日活に入ったんですよ。東京に来て初めて見た映画も、池田敏春さんのロマンポルノだったと思います。

最初は池袋の文芸座やフィルムセンターみたいなところに行って、サイレント映画とかクラシックなものを見てたんです。東京の大学の友達は高一くらいからロマンポルノを見てたらしいけど、僕は恥ずかしくて岡山日活の前を通り過ぎて洋画を見に行っていた。田舎の高校生には踏み入れてはならない“禁断”の場所だったんですよ。そんな青年が東京に出てきて、堂々とロマンポルノを見られるわけだから、カーッと熱くなりますよね(笑)。

それで運良く日活に入社できたんですけど、助監督を3年少しやったところでロマンポルノが終わってしまったんです。だけどこうして28年後にオファーをもらい、二つ返事で「やります」と答えました。

-役者はオーディションで選んだのですか?

中田監督:飛鳥さんの役はオーディションですね。相手役の登紀子先生役はオーディションをしたけど、最終的には山口香虬里さんにオファーしました。飛鳥さんの役は100人くらい会ったかな。でも飛鳥さんを見た瞬間に、「あ、この子だな」って思ったんです。僕は直感を信じるタイプなんで、なるべくたくさんの人に会おうと思ったけど、飛鳥さんと出会ってからは他の人に目移りすることはなかったですね。

まずはロマンポルノのヒロインとして、顔だけじゃなくてプロポーションも含めて美しい女性に演じてもらいたいという願望がありました。それに飛鳥さんは、「絶対にこの役を演じたい!」という目をしてたんですよ。他の女優さんたちも、そうだったはずですが、その気持ちは飛鳥さんが一番強かったと僕は感じたんですよね。

-飛鳥さん、いかがですか?

飛鳥:絶対やりたかったです。本当にやりたかったんです。

私は中田監督の作品が好きだったので、事務所の方に「脱げますか?」って聞かれ、「はい」と即答しました。中田監督に自分が撮ってもらえるチャンスなんてもうないかもしれないと思ったんです。オーディションに参加した時は、誰にも負けたくないという気持ちでいっぱいでしたね。

-中田監督といえばホラー映画というイメージも強かったかと思いますが、実際はどんな監督でしたか?

飛鳥:オーディションで初めてお会いするまでは、実は怖い監督なのかなと思ってました(笑)。でも現場でもカットごとにお芝居を丁寧に演出してくださって、休憩時間も色々なお話をしました。夜中の撮影でも和気あいあいとした楽しい現場でした。監督は、優しく包み込んでくれるような印象でしたね。

-オーディションの段階で、絡みのシーンも?

中田監督:かなりやりました。こういう映画だから、単なるお芝居の場面を演じてもらって「はい、オッケー」とは言えないんですよね。ロマンポルノは女性のフィジカルを美しく撮ることが生命線ですから。