<トランプ米大統領を喜ばせるために、日本の安倍首相はインフラ投資などでアメリカに70万人の雇用を創出する「日米成長雇用イニシアチブ」を持参するが、これは昨年末来日したプーチン露大統領に経済協力を約束させられただけで終わった日ロ首脳会談を思わせる>

米大統領選後、各国首脳の先陣を切って真っ先にドナルド・トランプに会いに行った日本の安倍晋三首相。10日にホワイトハウスを訪問し、トランプ大統領と初の日米首脳会談を行う。その後は大統領専用機でフロリダ州にあるトランプ所有のリゾートクラブ「マールアラーゴ」に移動、共に週末を過ごす予定だ。

最初の会談では、安倍はただ、選挙戦中に日本叩きのレトリックを連発したトランプに同盟関係を認めさせればよかったと、専門家は言う。2回目の会談はそう単純ではない。貿易摩擦の再燃を防ぐと共に、日本は今もアメリカの安全保障の傘に守られているという保証を取り付ける必要がある。

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「今回の会談は(前回とは)違ったものになるだろう」と、仏シンクタンク・国際関係研究所(IFRI)アジア研究センターのセリーヌ・パジョンはみる。「就任後にトランプが連発した大統領令で、選挙戦中の発言は本気の発言で、実行に移すつもりだと分かったからだ」

最近も続く日本批判

安倍との最初の会談でも、トランプはTPPから離脱すると言ったが、まだ翻意の可能性はあると思われた。とんでもない。トランプは就任直後にTPPを「永久離脱」してしまった。トランプは30年前から日本はアメリカにたかっていると言ってきたが、就任後は日本が円安誘導によって「グローバルなたかり屋」になっているとまで言い出した。

TPP残留を説得できなかった安倍は、今回の会談で2国間貿易の重要性をアピールするとみられ、通商交渉に向けた地ならしをする可能性もある。日本にとって、アメリカは中国に次ぐ第2の貿易相手国であり、特に自動車とエレクトロニクス製品の重要な輸出市場だ。

「日本にとってトランプのこれまでの動きは必ずしも歓迎すべきものではなかったが、あきらめずに働きかけて、日米関係の重要性をトランプに理解させるべきだ」と、パジョンは言う。

安倍はトランプをなだめるために具体的な経済協力プランを提示するだろう。日米の連携によるインフラ投資などでアメリカに70万人の雇用を創出する5本柱の計画「日米成長雇用イニシアチブ」の準備を進めてきたと、日本の政府関係者は明かす。

この戦略は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対する安倍のアプローチを連想させる。昨年12月にプーチンが訪日した際、安倍は官民合計80件の経済協力案件を提示、ロシアに3000億円規模の投融資を行うと約束した。この提案は、北方領土問題でプーチンから譲歩を引き出すと共に、対中包囲網にロシアを引き込むための「ニンジン」だったが、安倍の思惑は見事にはずれた。

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エミリー・タムキン