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●スマートフォンと連動してPCをロックする「Dynamic lock」
2017年2月8日(以下すべて米国日時)、MicrosoftはWindows 10 Insider Preview ビルド15031を、ファーストリングを選択したPC向けにリリースした。他のアプリケーションを利用しながら動画視聴などを行うコンパクトオーバーレイ機能を追加し、Bluetooth経由でスマートフォンが近くにない場合、PCをロックする「Dynamic lock(動的ロック)」が利用可能になったという。

○スマートフォンと連動してPCをロックする「Dynamic lock」

Windows 10 Insider Preview ビルド15031をリリースした2月8日、Microsoftは開発者向けイベント「Windows Developer Day」を開催し、Windows 10 Creators Updateから利用可能になるWindowsおよびCortana Skillの活用方法や、UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーション開発者支援情報など、広くアピールした。

また、「Build 2016」で発表したUWPレイヤーでアプリケーション同士の連携をサポートする「Project Rome」に関する進捗も発表し、同日からGitHub上でAndroid向けSDK( (preview%20release ))を公開するなど、Windows 10本体に留まらず、周辺の拡充も着々と進めている。これらの結果は2017年5月に開催する「Build 2017」で明らかにされるだろう。

そのWindows 10だが、最新のビルド15031では、「コンパクトオーバーレイ」機能が加わった。Microsoftの説明によれば、他のアプリケーションを利用しながら動画視聴などを行うための機能らしいが、iOSのピクチャ・イン・ピクチャ機能をイメージして実装したと見るのが正しいだろう。下図に示したのは公式ブログより抜粋した画像だが、同じようにOffice 365アプリケーションを全画面表示し、「映画&テレビ」で動画視聴を行ってみたものの、コンパクトオーバーレイ画面に切り替わることはなかった。なお、同社の説明ではコンパクトオーバーレイを「Skypeプレビュー」などに組み込み、今後はSDKを通じてサードパーティ製UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションでも利用可能になるという。

以前のWindows 10 Insider Previewから、「設定」の<アカウント/サインインオプション>に「Dynamic lock(動的ロック)」が加わっている。筆者は当初、Windows Helloのカメラを常に有効化し、利用者が離席したことを検知してPCをロックする機能と思っていた。だが、Microsoftの説明によれば、Dynamic lockはBluetoothでペアリングしたスマートフォンがPCの近くにない場合に離席であると認識して、30秒後にPCをロックする機能だという。ビルド15031にはスマートフォンとBluetoothペアリングできない、という致命的なバグが含まれているため、ビルド15025の時点でペアリングしたWindows 10 Mobileの電源を切ると、デスクトップPCは無事動作を確認。だが、横にある2-in-1 PC(こちらもビルド10531に更新済み)はロックモードに移行しない。まだ不安定な部分があるようだ。

その他の変更点としてUWPアプリケーションなどが使用する共有アイコンの刷新や、PCゲームをフルスクリーン表示で楽しむ際にゲームバーが利用できるタイトルが拡充されている。具体的には「Aion」「Borderlands 2」「Call of Duty Black Ops III」「Call of Duty: Infinite Warfare」「Civilization VI」「Company of Heroes 2」「Crusader Kings 2」「Deus Ex: Mankind Divided」「Dishonored 2」「Elite: Dangerous」「Euro Trucks 2 Simulator」「Europa Universalis IV」「Eve Online」「F1 2016」「Fallout New Vegas」「Far Cry 4」「Football Manager 2016」「Football Manager 2017」「Garry’s Mod」「Grand Theft Auto IV: Complete Edition」「Grand Theft Auto V」「Grand Theft Auto: San Andreas」「Hearts of Iron IV」「Hitman - Full Experience」「Killing Floor 2」「Lineage 2 - The Chaotic Throne」「Mafia III」「Mass Effect 3」「Mechwarrior Online」「Metro 2033 Redux」「Metro Last Light Redux」「Middle-earth: Shadow of Mordor」「Mirror’s Edge Catalyst」「Need for Speed」「Path Of Exile」「Planet Coaster」「Planetside 2」「Plants vs. Zombies Garden Warfare: Deluxe Edition」「Pro Evolution Soccer 2016」「Project CARS」「Roblox」「Smite」「Source Engine Titles/Half Life 2」「Team Fortress 2」「TERA」「The Sims 3」「The Witcher 2: Assassins of Kings」「Titanfall 2」「Total War: Attila」「Watch_Dogs 2」「World of Warplanes」「XCOM 2」の52タイトル。残念ながらゲームモードに関する更新は確認できなかった。

なお、冒頭で述べたWindows Developer Dayによれば、Windows 10 Creators Updateに加わる新機能はこれでフィックスさせ、後は安定性や信頼性の向上を図るという。本稿執筆時点では、Windows 10 Insider Preview SDKやMobile Emulator Insider Previewもビルド15021まで更新し、近いうちにビルド15031へ再更新するはずだ。

●OSビルド15031の改善点・既知の問題
○OSビルド15031の改善点・既知の問題

ここからはPC版の修正内容と確認済みの問題を紹介する。まずは修正箇所から。

・Tencent製アプリケーションやゲームがクラッシュし、正しく動作しない問題を修正した。
・OOBE(Out of Box Experience)プロセスで、仮想マシンなどオーディオ出力デバイスを検出できない場合、Cortanaの導入をスキップできるように更新した。
・プラットフォームが原因で、一般的なPCゲーム起動時にクラッシュや黒い画面が表示される問題を修正した。
・システム全体のゲームモードが正しく動作しない問題を修正した。
・「Night Light(夜間モード)」のクイックアクションが予期せぬタイミングで無効になる問題を修正した。
・スタートメニューを開くと「SpeechRuntime.exe」がクラッシュして、音声出力が無効になる問題を修正した。
・アイコンをドラッグ&ドロップすることでスタートメニューにピン留めする機能が動作しない問題を修正した。
・「Snipping Tools」で[Win]+[Shift]+[S]キーによる画面領域のキャプチャーが無効になる問題を修正した。
・「Snipping Tools」を4Kディスプレイ環境で利用する際、60〜80%程度の領域を選択するとキャプチャーできなくなる問題を修正した。
・Chkdsk.exe実行時に[Fn]+[Pause/Break]キーが機能しない問題を修正した。
・ペンでウィンドウをリサイズすると、動作が遅くなる問題を修正した。
・DPIが異なるディスプレイ間でウィンドウサイズを変更すると、予期せぬトラブルが発生する問題を修正した。
・「Microsoft Edge」でダークテーマを選択した状態でWebノートを実行すると、Windows INKのハイライトプレビューが表示されない問題を修正した。
・精密タッチパッドの3本指のスワイプに対するジェスチャーが正しく認識しない問題を改善した。
・OSアップグレード後のルートフォルダーに、GLOB(0xXXXXXX)というファイル名が生成される問題を修正した。
・エクスプローラーからドライブ文字を変更できない問題を修正した。
・Microsoft Edgeなどで新しい共有機能が正しく動作せず、PCを再起動しないと共有UIが再び表示されない問題を修正した。
・「フォト」「Grooveミュージック」などを再実行する際、サムネイル画面が視覚的にずれてしまう問題を修正した。
・デスクトップテーマを削除すると、「設定」の<個人用設定/テーマ>ページが点滅する問題を修正した。
・「設定」の各ページにあるヘルプに関する文章内容を見直し、簡潔にした。
・ポーランド語キーボード利用時に「設定」の検索ボックスが利用できない問題を修正した。
・Cortana Background Task HostがCPUリソースを大幅に利用し、終了してしまう問題を修正した。
・Cortana経由で配信される2要素認証の通知を短縮しないように変更した。
・リモートデスクトップ接続使用時に、キーボードのフォーカスが資格情報以外に向いてしまう問題を修正した。
・XAMLベースのアプリケーションで不正なGIFを処理する際の信頼性を向上させた。
・「設定」の<ゲーム>ページ下でアイコンが意図どおり表示されるように修正した。

次はPC版で確認されている問題を紹介する。

・本ビルドをダウンロードする際の進捗状況を示すインジケーターは破損している。辛抱強く待ってほしい(筆者注: 本件はOSビルド15002以降から発生している)。
・Windows Spectrum(Spectrum.exe)サービスを起因とする例外エラーが発生し、オーディオ出力の消失と異常なまでのディスクI/Oの使用率向上が発生することで、Microsoft Edgeなどのアプリケーションが特定条件下で応答しなくなる可能性がある。この問題が発生した場合は「C:\ProgramData\Microsoft\Spectrum\PersistedSpatialAnchors」フォルダーを削除し、PCを再起動する。
・<デバイス>を開くと「設定」がクラッシュする。そのためBluetoothペアリング設定や、クイックアクションも利用できない。
・アクションセンターや[Win]+[K]キーもしくは「設定」経由で行う接続UXが起動しない。これはワイヤレスプロジェクションシナリオに影響を与える。
・一部のPCゲームを起動する際、タスクバーに最小化してしまうケースが確認されている。ただし、タスクバーのボタンをクリックすれば元に戻せる。
・特定のハードウェア構成では、配信時にゲームバーのウィンドウが緑色で点滅することがある。ただし、配信映像の品質には影響していない。
・Microsoft Edgeの「F12 Developer Tools」が断続的にクラッシュし、入力を受け付けないことがある。
・Microsoft Edgeの<要素の検査>と<ソースの表示>を選択しても、DOM Explorerおよびデバッガーが正しく起動しない問題がある。
・「設定」の<更新とセキュリティ/Windows Update>で「一部の設定は組織によって管理されています」というメッセージが表示されるが、フライト構成設定に引き起こされたバグなので気にしないでほしい。
・一部のPCでサウンド再生時に「デバイス使用中のエラー」が発生する。現在調査中だが、「Windows Audio」サービスを再起動することで改善する可能性がある。
・希にアクションセンターが色を持たない空白として表示される。その際はタスクバーの位置を変更すると改善する。
・「設定」の<更新とセキュリティ/Windows Insider Program」のアイコンが正しく表示されない。

以上でPC版に関する説明は以上だが、2017年2月2日にファーストリングを選択したモバイルデバイス向けに、Windows 10 Mobile Insider Preview ビルド15025 for Mobileをリリースしている。更新内容はPC版と同じため割愛するが、既知の問題はWindows 10 Insider Previewを選択しているインサイダーはリンク先を確認することをお薦めしたい。

阿久津良和(Cactus)

(阿久津良和)