道路さえあれば駐車場なんて必要ないということでしょうか。秋葉原という繁華街にありながら、バスの中国人観光客相手に商売をしている大型免税店・ラオックス(LAOX)。店舗前の歩道は通行の妨げになるほどの人だかりでした。

こんにちは、自転車で世界一周した周藤卓也@チャリダーマンです。2016年暮れから東京に滞在しているのですが、2014年に訪問したときに嫌な気持ちになることがあったため秋葉原は避けていました。でも、あれから2年経っていると考えて、再訪してみました。しかし、何か変わったようには見えませんでした。やはり嫌な気持ちになりました。

〜目次〜

◆ラオックスとは

◆2014年10月26日の訪問

◆2017年1月12日の訪問

◆2017年2月4日の訪問(銀座)

◆実際に秋葉原のラオックス前で計測してみた

◆よく使われる乗降場所

◆ラオックスとバスとの関係

◆Twitterの反応

◆ラオックスとは

ラオックスは、かつては関東を中心に店舗を展開していた大手家電量販店でした。2000年代初頭までは拡大路線でしたが、同業他社との激しい競争により業績が悪化。2009年8月に中国最大の家電量販店「蘇寧電器」の傘下となります。中国資本となったラオックスは従来の家電量販店から外国人観光客向けの免税店へ転換し、これが訪日観光客急増という時代の流れにマッチング。親会社との繋がりから中国人観光客を取り込み大復活を果たしました。2015年のユーキャン新語・流行語大賞となった「爆買い」を象徴する企業として、社長の羅怡文氏が授賞式に出席しています。

2014年に撮影した秋葉原のラオックス。



所在地は東京都千代田区外神田1-2-9

でも、そのビジネス手法に疑問を感じたので、今回はこのような記事を書かせていただきました。かなり長い記事となりましたが目を通していただけると幸いです。

◆2014年10月26日の訪問

2014年にヨーロッパを再訪した後に「無法地帯にならないように、ヨーロッパの移民社会を見て思うこと」という記事を書きました。だからこそ、日本における外国人の実態に興味がありました。そういったことを調べる中で秋葉原におけるバスの問題を発見。特にやり玉に上がっていたのが、大手総合免税店のラオックスでした。その年は一時帰国していて、次のフライトは東京発でした。時間を見つけて秋葉原に足を運ぶと不思議な世界が広がっていました。

公共の道路にも関わらずバスの「停留所」が出現。



このようにバスが停まっていきます。



歩道いっぱいに広がる中国からのお客さん。



このときは交通整理の方がいました。「バスでやってくるお客さんの誘導ですか」と尋ねてみると「いやいや、歩道の交通整理です」という回答で、バスとの関わりは否定されました。



この状況が適法なのか、それとも違法なのか、私には判断ができませんでした。そこで、ラオックスから歩いてすぐの万世橋警察署の方に足を運びました。「バスの駐車について気になることがあるのですが」と尋ねると、1階の受付近くの応接室のようなところを案内されました。50歳前後の男性の方が話を聞いてくれました。「道路にバスの駐車が多いようですが……」と聞くと「そうですね、私たちも110番を受けて対処しています」という回答。一番気になっていた法律云々ですが「違法な行為が行われている」という判断は示してくれました。

◆2017年1月12日の訪問

旅に区切りをつけて、東京で自転車世界一周の報告会をやるために地元の福岡から上京しました。その後もなぜか東京に留まっています。「上野のパンダペッパー」や「銀座のIt's a Sony展」とここぞとばかりに東京を観光。福岡から東京は遠いのです。でも、秋葉原は避けていました。海外のアニメやコスプレ事情といった記事を書いてきたのにも関わらず。その理由に2014年のラオックスと中国人観光客がありました。

でも、あれから2年。少しは変わっているでしょう。パンドラの箱を開けるように、意を決して秋葉原に足を運びました。ところが、ラオックス前は以前と変わらぬ状況でした。やはり嫌な気持ちにさせられました。

やはりラオックス前はバスの停留所となっております。



バスに乗っていく観光客の人たち。



ラオックス前は交通の妨げになるほどの人で溢れていました。



やはり、今回も確認を取りたくて万世橋警察署を訪れました。今回はビル内の交通課へ案内されました。許可証をもらって階段を上ります。主に話をさせてもらったのは年配の女性警官の方で、様子を見にきた同年代の男性警官も話に加わりました。「正義はここにある」と信じていたのですが、そこには何もありませんでした。「ラオックスの前の道路の駐車は合法なのでしょうか」と聞いても「ケースバイケースでいろいろありまして」とお茶を濁されるばかり。車の免許を持っていないために「駐車」と「停車」の区別がはっきりついていなかった私も悪いのですが、その知識のなさに何も答えないことが警察のお仕事なのでしょうか。法律に則って取締を行う立場にも関わらず、何の基準も示していただけませんでした。

「昔と変わってないようなのでお話を伺いに来ました」と口にしたのが気に障ったのか「いや、昔と比べたらだいぶ改善されましたよ」「地域のみなさんは感謝してくれてます」と警察署の方は仰いました。「では、客観的なデータなどはあるのでしょうか」と質問すると「それはありません」と噛み合いません。実際、頑張っていらっしゃるのかもしれません。話の通り、昔に比べて減っているかもしれません。ただ、公の仕事は結果を問われにくいじゃないですか。だからこそ「このような状況を放置しておいて、もし大きな事故が起きたらどうするんですか」と聞いたのですが、「悪いのはバスの運転手じゃないですか」という我関せずの回答で、言葉を失いました。

「万世橋交差点付近における110番通報は確かに多い」という認識はお持ちでした。ただ「ラオックスの前とか大変ですよね」と聞くもうんともすんとも言わず、それどころか「ラオックスという根拠はどこなんでしょう。他のお店かもしれませんよ」と逆質問を受けることに。「ラオックスが旅行代理店にキックバックを払っているとかニュースになりましたけれど」と追求するも、そこまででした。

「爆買い終了」本当の原因はボッタクリ!? 中国人観光客がうんざり | 日刊SPA!

https://nikkan-spa.jp/1174541

「ラオックスはツアーを催行する旅行代理店とキックバック契約を結んで集客していた。商品の多くは、一般の家電量販店と比べても2〜3割も高かった。しかし、そのことが訪日中国人にも知れ渡った。繁華街の一般店舗でも免税手続きができることが徐々に広まり、ボッタクられていることがわかったのです。爆買いの象徴だったラオックス銀座本店前には、相変わらず中国人観光客を乗せた大型バスが乗り付けていますが、店を素通りして別の場所で買い物を楽しむ人が増えています」


ラオックスに中国人が殺到するワケ - 日刊サイゾー

http://www.cyzo.com/2015/12/post_25737_entry.html

ラオックスは、団体旅行商品を販売する中国の旅行会社とキックバック契約を結んでいる。ツアーの行程の中にラオックスへの来店を組み込ませる代わりに、ラオックスは来店したツアー参加者が支払った金額に応じて、旅行会社にリベートを渡す。


どうやら、ラオックスの前にバスが止まり、バスから降りたお客さんはラオックスをめがけて入店していくけれど、双方には利害関係がないという優しい世界が広がっているようです。「あなたもライターというならばご自分で調べてみたら」とやはり噛み合いません。だって原因がはっきりすれば110番は減るわけじゃないですか。なぜ警察がそれをしないのか不思議で仕方ありませんでした。

やりきれない気持ちで警察署を後にしたその足で、ラオックスの両隣にあるエディオンとオノデンに「この付近はバスの駐停車が多いですが、そちらのお客さんですか」と聞いてみました。どちらとも「違いますよ」という答えでした。

◆2017年2月4日の訪問(銀座)

タイミングが合ったので銀座の状況も確認してきました。2017年2月4日(土)のことです。

ラオックスの所在地は東京都中央区 銀座 7-9-17 銀座ヤマトビル 1・2・3F

秋葉原と同じように銀座のラオックスも車道、歩道を停留所のように運用されているようでした。



別のバス。



駐車時間も測ってみると、これが18時03分。



そして18時15分……というバスもありました。



店舗前が混乱しているので交通整理をされる方が2人ほどいました。お話を聞きたかったのですが日本語での意思疎通が難しく断念。ラオックスの方なのかもはっきりしませんでしたが、公共の場所のはずにも関わらず、かなりの権限をお持ちのようで有無を言わさぬお仕事ぶりでした。日本人であってもあそこで立ち止まろうことなら、ぞんざいな対応で排除されることになりそうです。

バスを待つ中国人観光客の方々と交通整理を行う青ジャンパーの方。



何も分からず、このようなところでバスを待たねばならぬ中国の方々も気の毒です。



ラオックスの隣で営業しているビルはかなり酷いことになっていました。銀座といえばシャネル、ルイヴィトン、ブルガリといった高級ブランドも数多く店を連ねる一等地。そのビルも高級感のある空間を演出しているようでした。

ですが、それを台無しにするパーティションポールの赤いライン。



中国語と英語で「ここはビルの入り口なので通行の邪魔とならないようにご協力をお願いします」という注意書き。



これは一体どういうことなんでしょう。また、このような光景もありました。

銀座のバスにもあった日本バス協会所属を示す緑のステッカー。



銀座では中国共産党と対立する法輪功と思われる方が中国政府批判のビラを中国人観光客に配っていたりします。



銀座のラオックスは「EXITMELSA(イグジットメルサ)」という商業ビルにも別店舗があります。5Fと6Fのテナントとして営業しておられます。さすがにこちらでは混乱はありませんでした。このような店舗運営だったら誰もが納得するでしょう。

そのような物思いに耽っていると、横断歩道の直ぐ側に一台の車が止まりました。そのまま通行人の横断を遮る形で荷物の積み込みをされておりました。このような横断歩道の近辺は駐停車禁止のはずです。確認を取るとやはりラオックスの方でした。



秋葉原にしろ銀座にしろ、大きな事故が起きないことを願うばかりです。

◆実際に秋葉原のラオックス前で計測してみた

こうなってくると実際の状況が気になります。警察の方にも「ご自分で調べてみたら」と言われたので、どれだけのバスが止まるのか、現地でカウントしてみることにしました。

カウントを行ったのは2017年1月21日(土)、時間は昼の12時から17時までの5時間です。

一応ですが、1月17日に道路使用許可の申請を試みました。

道路使用許可の申請書。



申請書を片手に万世橋警察署に足を運んだのですが、担当の方は「個人でこのような申請の前例がなく許可が下りる分かりません」と想定外の対応。でも「椅子を使うわけでもないし、迷惑にならないのであれば大丈夫では」とのことだったので、そのまま現地で立って行いました。

100円ショップで用意したカウンター。



バスが停まるのは、1台につき「降車」と「乗車」で2回あります。今回は降車に絞ってバスの台数、及び人数を計測しました。

このような降車をカウントします。



思わぬところにバスが止まって数えそこねたり、途中でトイレに行くために計測が中断したりしたため、正確な数字ではありませんが、計測した範囲での数字はこんな形となりました。

table {border-collapse: collapse;}th {border: solid 1px #666666;color: #000000;background-color: #ff9999;}td {border: solid 1px #666666;color: #000000;background-color: #ffffff;}バス観光客12時〜13時8台236人13時〜14時14台300人14時〜15時9台225人15時〜16時6台170人16時〜17時4台102人合計41台1033人

長時間張り付いていたことで、ラオックス前におけるバスの実態を少し深く知ることができました。1台のバスに乗っているのは子どもも含めて30人前後。停車場所も、南は万世橋交差点北詰から北はJRガード下のマツモトキヨシ前まで広範囲に及んでいました。ただ、どこに降りても皆連れ立ってラオックスを目指していました。

・駐車と停車

先に、ここから重要となってくる「駐車」と「停車」の違いを整理しておきます。私は自動車免許を持っていないので、この2つの差を意識したことはありませんでしたが、2つは明確に区別されています。

「駐車」は道路交通法第二条十八で

車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者(以下「運転者」という。)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう。


と定義され、「停車」は第二条十九で

車両等が停止することで駐車以外のものをいう。


と定義されています。

この定義からすると、ラオックス前での乗客を乗降させているバスは停車とみなされるので問題はないという主張もできます。ただし、道路交通法の第九節「停車及び駐車」(第四十四条〜第五十条)の中では、停車・駐車禁止場所が定められており、ここに該当するのではないかと思われるケースが発生していました。以下はすべて2017年1月21日(土)のできごとです。

11時42分:交差点付近の停車



12時56分:交差点付近の停車



13時14分:二重停車



13時19分:二重停車



13時23分:二重停車



13時44分:交差点付近の停車



14時00分:交差点付近の停車



14時00分:二重停車



14時41分:二重停車。写真では半分隠れているピンク色のバスの後ろにもバスが二重停車しています。



14時47分:二重停車



14時48分:二重停車



公共道路という性質上、他の車両が駐停車することもあります。そうなるとバスの運転手もてんやわんやで、かなり際どい場所に停車していました。上記写真で交差点付近に停車している事例は、停車・駐車禁止として指定されている「交差点の側端又は道路のまがりかどから五メートル以内の部分」に該当しそうです。「乗合自動車又はトロリーバスが、その属する運行系統に係る停留所又は停留場において、乗客の乗降のため停車するとき、又は運行時間を調整するため駐車するときは、この限りでない。」という例外もあるので、「属する運行系統に係る停留所又は停留場」ならばセーフです。

二重停車については、道路交通法では第四十七条の

(停車又は駐車の方法)

第四十七条 車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。


に当てはまるようです。この点は、運転免許を取得している人なら二重駐停車の禁止として学科試験にも出てくる内容です。

・停車時間について

バスがどれぐらい停まっているのかも測ってみました。



約1分30秒で出発。



次のバスは……



約3分45秒で出発。



バスによっては、あっという間に客の乗降を済ませて走り去るものもあるのですが、一方では……



8分以上も同じ場所にいるバスも。このケースでは集合に間に合わない人が出たのか、ガイドと思われる人がイライラした表情で立っていました。



さすがにまずいと思ったのか、バスがちょっと移動。しばらくして全員揃ったらしく、秋葉原を後にしていました。



また、降車したお客さんを確認していないのでラオックス目当てなのかは不明なのですが、かなり長時間停まっているバスも見かけました。13時51分に確認。



14時03分に確認。



15時08分に確認。



15時27分に確認。1時間30分以上はいました。



・滞在時間

では、バスのお客さんはどのくらい秋葉原に滞在しているのでしょうか。何人かに直接確認したところ1時間〜1時間30分ほどと教えてくれました。

15時35分にお客さんを降ろしたバスは……



16時40分にお客さんを乗せに戻ってきました。



・歩道の専有

バスでここに連れてこられたお客さんは事情に詳しいわけではなく、買い物が終わったら次のバスを待つだけ。それゆえに歩道いっぱい広がって、一般の方の通行の妨げとなっていました。

13時56分。



15時11分。



16時26分。



◆よく使われる乗降場所

ラオックス付近でバスが停車する場所は幾つかあります。

一番の多いのがラオックス前のこちら。



このような感じでお客さんが乗り降りしていきます。



また、ここにはぽつんとカラーコーンが置いてありました。こちらの所有者も気になるところです。



倒れてしまったカラーコーン。



10分後に確認すると誰か直したようでした。



また、万世橋交差点寄りのエディオン前にもバスは止まっていきます。



このように柵の隙間から、お客さんが移動していました。



横断歩道を挟んだオノデンの前も停留所と化しています。



繰り返しになりますが停車場所は万世橋交差点の北詰からエディオン、ラオックス、オノデン、ラブメルシー、マツモトキヨシまで広範囲に及んでいます。

・横断歩道

ラオックスとオノデンの間には小道があり、横断歩道が設けられています。



このような路地裏の細い道です。



ゴミ収集車が通っていきました。



明らかに道路を塞ぐかたちだったので駐車違反の取締りを受ける乗用車。



道路交通法第二条で交差点は「十字路、丁字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分をいう。」と定義されています。交差点付近5m以内は駐停車禁止ですが、ここの場合は一帯の縁石は黄色い破線のペイントが行われていたため、駐車禁止ではあっても停車は可、という区分になるようです。

警視庁の放置駐車等追放対策のページを見ると、オレンジの実線ペイントなら駐停車禁止オレンジの破線ペイントなら駐車禁止であることが示されています。

◆ラオックスとバスとの関係

万世橋警察署では「ラオックスとバスの因果関係ははっきりしない」という認識でした。ですが、「明らかにラオックスがバスの駐停車を斡旋しているようであれば対処せざるを得ない」ともおっしゃっていました。

関係の「証拠」とまではいきませんが、ラオックスではボックスティッシュを用意していて、バスの運転手かツアーガイドに渡していました。買い物客向けの粗品とは違うような形でした。

ラオックスの店舗前に置かれているボックスティッシュ。



同じものがバスの中に。



運転席に置かれていることも。



ちなみに、2014年に訪れたときも店頭に同じボックスティッシュがありました。



そもそも、店舗入口に行くと万世橋警察署がバスの運転手へ呼びかける「客待ち駐車はできません!!」という掲示があります。「運転者が乗車していても取締りの対象となります」とのこと。



上記の写真は2016年のものですが、これは2014年にも掲示されていたものです。



なお、ラオックスの方でもバスでお客さんがやってくるということは自認しています。そのため、過去には以下のような求人募集が行われていました。これは「「≪関東≫【秋葉原本店】警備・交通整備スタッフ - ラオックス株式会社」というタイトルのページの内容で、現在はURLはトップページに転送されるようになっています。



世界各国様々な、店舗にいらっしゃるお客様を店頭でお出迎えや道案内の業務をして頂きます。

また、観光バスでご来店下さった時の交通整備などをお願い致します。


オフィシャルサイトに問い合わせフォームがあったので、バスのことについて記事にすることを明らかにした上で問い合わせを行いました。すると、以下のような回答をいただきました。



ラオックス株式会社でございます。

お問合せいただきました件について、以下ご回答申し上げます。

ご指摘の弊社秋葉原本店前のバスの路上停車ですが、

旅行者(来店者)の乗降の際には停車しておりますが、

乗降が終わり次第移動するようバスを手配している各旅行会社に依頼しており、

実際にも、そのように運用されていると認識しております。

また、所轄の警察署とも連携を取りながらオペレーションをしております。

今後も引き続き近隣の交通の妨害等にならないよう必要な配慮をいたします。


お客さんがラオックスに集まることについては、ラオックスがツアー会社にキックバックを行ってリベートを渡していることを指摘する記事として、前述のように「「爆買い終了」本当の原因はボッタクリ!? 中国人観光客がうんざり」「ラオックスに中国人が殺到するワケ」というのがあり、「ラオックスはツアーを催行する旅行代理店とキックバック契約を結んで集客していた」「ラオックスは、団体旅行商品を販売する中国の旅行会社とキックバック契約を結んでいる」「ツアーの行程の中にラオックスへの来店を組み込ませる代わりに、ラオックスは来店したツアー参加者が支払った金額に応じて、旅行会社にリベートを渡す」と記してあります。

上記記事内でで中国人ジャーナリストの方が語っているように、ラオックスに入らない人の姿は少数でしたが私も目にしました。ソフマップで買い物をしたのか、ビックカメラの袋を抱えた人の姿もありました。また、ラオックス前で降車せずにそのまま車内にとどまる人もいました。

◆Twitterの反応

このラオックスとバスに関連する話題は、Twitterでも少なからず挙がっていました。

・個々ツイート





























そして、この問題について長期的に追いかけている人もいました。気になっていたのは、私だけではありませんでした。

・ミシュラ提督さん



















・ほりさん







そもそも私は東京の人ではありません。このバスの問題もインターネットがきっかけでした。だからなのか、万世橋警察署の方から「あなたはインターネットの情報をすべて信じるのですか」と言われました。しかし、上記のように気づいている人は気づいています。

◆中国人観光客

攻撃的なツイートも目立ちます。しかし、あのような状況に抱く負の感情を責めるべきではありません。だったら、中国人観光客が悪いのでしょうか。これもまた違います。憧れの日本、秋葉原にやってきた中国人観光客が高揚感のため周りが見えなくなっているのは不思議なことではありません。そもそも、彼らはあそこでバスを待つ必要があります。バスがラオックス前を「停留所」にした結果、不必要なヘイトを生み出しているのが現状です。

あの人だかりにはどうしても眉を潜めがちです。私もそうでした。でも、そこにいる中国人観光客を観察していると目が覚めます。彼らは敵ではありません。手に入れたレゴのおもちゃをしっかりと握った子どもさんは秋葉原の街をバックに記念撮影。日本の旅を楽しんでいる方ばかりでした。守りたい笑顔がありました。何人かと話をしたのですが「今回はツアーだけど、次は個人旅行でもう一回来たい」と目をキラキラさせて言う人もいました。日本語を勉強している人もいました。

「爆買い」という言葉を象徴する大量の紙袋。



成田→東京→静岡→名古屋→京都→大阪というゴールデンルート。中国では東京→大阪間の見所を1週間程度で周るツアーが人気となっています。



話をすると「北京から来た」という方が多かったです。ただ、全ては確認しておらず中国以外の観光客がいる可能性はあります。中国語も簡体字も中国だけのものではありませんから。

◆現状の問題を再整理

ラオックス前が事実上のバスの「停留所」になってしまった結果、不必要なヘイトを生み出しているのが現状です。そもそも駐車場のない店舗で、バスで来るお客さんをメインに商売をしているという現状に無理があるのではないでしょうか。店舗側でも、問題があるということ自体は認識しているはずです。

かつて地下一階には100円ショップがありました。現在は休憩所および喫煙室となっています。



停留所と化した歩道を清掃するためでしょうか。建物の影には清掃道具が置いてありました。



蘇寧電器によるラオックス買収は中国企業の日本進出における先駆けでした。当時はかなりの衝撃でしたが、今ではさほど珍しくありません。中国という国は着々と力をつけています。サンヨーの白物家電はハイアールに、北海道のトマムリゾートも上海豫園旅游商城に買収されました。これからも、この流れは進んでくことでしょう。そうした状況の中で、ラオックスは日本を代表する中国企業であることに間違いないのですから、やり方を改善していただきたいと考えています。歩道が待機場所と化して中国人観光客があふれた結果、中国人に対するヘイトが生まれるというのは、あまりにも残念です。

銀座できらめく中国系家電メーカー「Haier(ハイアール)」の屋外広告。



ラオックスは中国人留学生を不法就労させていたことも大きなニュースとなりました。

ラオックス不法雇用:爆買い火付け役 利益優先のツケ - 毎日新聞

http://mainichi.jp/articles/20151226/k00/00m/040/170000c

不法就労助長罪による処罰について | 日本国内最大規模の免税店 ラオックス株式会社

バスもそうですが、なりふり構わず利益を追求するやり方は反発を招くだけです。

◆バスの取り締まりはできないのか?

これだけいろいろと書いたのですが、「私が違反と思うから取り締まる」というのは不可能で、そこは警察の領分です。民間委託されている駐車監視員の方にも話を聞いてみましたが、「バスに関してはお声がけをしているが、取り締まりは警察に任せている」というお話でした。

交差点でお仕事中の警官の方。背後にはバスが駐車しています。



このように縁石が破線で塗られた道路は「駐車禁止」。また、消火栓の周囲も「駐車禁止」のはずです。このバスは運転手さんが乗っていませんでしたが、大丈夫でしょうか。



交差点にいた警官の方に声をかけると「スマホ操作やイヤホンといった危険運転の自転車を注意している」というお話で、バスについてはお答えいただけませんでした。この方を責めるのもまたお門違いだとは思います。しかし、このバスのような事例を放置していてもいいものなのでしょうか……。

ちなみに、こちらは2014年もバスの駐車場となっていました。



一、二、三台と連なる大型バス。



また、2014年のケースですが、万世橋もバスの駐車場になっていました。11時38分、パトカーが通過しました。



11時52分、同じバスが停車中です。



取り締まりを慎重に行うのは理解できますが、とはいえ、この状況はいつまで続くのでしょうか。どこか懐かしくなるような万世橋警察署のオフィシャルページには、「観光バス事業者・観光バス運転手の皆様へ」と題したお知らせが掲載されています。

万世橋警察署 交通 :警視庁

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/1/manseibashi/kotsu/kotsu.htm



訪日観光客の増加によって外国人相手の貸切バス需要は賑わっていることでしょう。しかし、その需要に駐車場の整備が追いついていません。その結果、バスの違法駐停車は全国的な問題となっています。前述のように、万世橋警察署も秋葉原を訪れる観光バス事業者にお知らせを行っています。そうしたバスには、日本バス協会に所属することを示すNBA認証マークを見かけることがありました。



近くに駐車場がないからやむなく路上に駐停車するというのではなく、停留所も駐車場も確保した上でツアーを催行する形にはならないでしょうか。

秋葉原はアニメ、アイドルといったサブカルチャーの中心としても賑わっていて、メイド喫茶も有名です。可愛らしい女の子がフリフリのメイド服を着て路上でチラシを配ったりしています。こうしたメイド喫茶にも「万世橋メイド系店舗連絡協議会」という団体があって、チラシ配りにガイドラインを定めて街のモラルの維持に努めておられます。同様に、日本バス協会も、会員各社の違法駐停車に対して実効性の伴う対策を打つことはできないでしょうか。

すべてが会員企業ではないでしょうが、このような問題が起きています。

【関西の議論】京都観光、中韓訪日客の急増で「異常事態」 倏バス畴がら年中「違法駐車」の嵐!?  (1/4ページ) - 産経WEST

http://www.sankei.com/west/news/151002/wst1510020003-n1.html

国民性の違いが招く観光バスの迷惑駐車 運転手が呆れる訪日客の“感覚” (1/7ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/141229/cpd1412291700001-n1.htm

以下の記事に掲載されている写真では、路上に止まった観光バスの窓に緑色のNBA認証マークが貼られているのを確認できます。

路上駐車:春節爆買的迷惑駐車 繁華街路上にバス | 毎日新聞

http://mainichi.jp/articles/20160208/dde/041/040/041000c(Internet Archive)

◆動くべきところが動けば状況は変えられるのでは?

秋葉原で路上駐車をしていたバスの運転手に「ここは駐車場なんですか」と聞いたことがありました。すると運転手は「だめなことは分かっている、こっちも胃が痛い」と気の毒な回答。「責めるべきはこの人たちではない」と反省しました。

システムができあがった以上、そこに組み込まれた人たちは抜け出せません。だったらどうするか。消費者金融のグレーゾーン金利やスマホゲームのコンプリートガチャのように、動くべきところが動けば構図は変えられるのではないでしょうか。日本人、中国人観光客、ラオックス、バス会社……誰もが幸せになるやり方があるはずです。

バスの問題は韓国でも起きていて、政府も対策に乗り出しています。こうしたことを、日本でも進められないでしょうか。

免税店に観光バス用の駐車場設置を義務付けへ=韓国

http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2016/06/14/0900000000AJP20160614005300882.HTML

中国人観光客向けのツアーを巡っては「悪質ガイド」のようなトラブルも生まれています。

【衝撃事件の核心】“爆買い”中国人をだます無資格の中国人ガイド 「観光立国」に影落とす可能性も…(1/4ページ) - 産経ニュース

http://www.sankei.com/premium/news/151220/prm1512200022-n1.html

爆買い狙う悪質ガイド横行 店の売り上げ一部懐に  :日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11H6Y_X10C16A5CC0000/

団体客を引率してきたのは中国籍の男性(34)だ。現在、有償でガイドをするには日本の国家資格「通訳案内士」が必要だが、「資格なんて持ってる人はいないよ」と言い切る。


潜入!中国人 “爆ツアー”の無法現場 - NHK クローズアップ現代+

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3879/1.html

この問題に対処するため、旅行業法改正案が提出される見込みです。

「ぼったくりツアー」業者は5年間の“営業停止”に 今国会提出の旅行業改正法案に明記へ(1/2ページ) - 産経ニュース

http://www.sankei.com/premium/news/170126/prm1701260007-n1.html

旅行業者の代わりに訪日外国人旅行者向けに交通や宿泊などの手配を行う「ランドオペレーター」の規制に関し、観光庁が今国会中に提出する旅行業法改正案に、違法業者への処分として5年間の実質営業停止を盛り込む方向で検討していることが25日、分かった。訪日客に高額商品を売りつける「ぼったくりツアー」などに関与する悪質業者を市場から“退場"させ、訪日旅行の質向上を図る。


これに続いて、バスの問題も解決して欲しいと考えています。今回、私の基準がおかしい可能性も考えて、事前にTwitterでアンケートを取ると次の結果となりました。



みなさまはどのようにお考えでしょうか。かなりの時間と手間をかけました。いろいろな意見が飛び交うことで、この現状が変わることを願ってやみません。

私だってこれまでの人生を振り返ると大きなことを言える立場でもありません。ですが、過ぎていくしかない時間の中で、これからを生きる子どもたちのためにもよりよい社会を築いていきたいという想いはあります。2年前にも記事を書くつもりでしたが、内容が内容だけに気も重く後回しにして逃げました。2年経っても同じような状況でしたが、取材を続けたことでかなりの事実を積み重ねることができたので、今回、情報をまとめさせていただきました。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン

自転車世界一周取材中 http://shuutak.com

Twitter @shuutak

Facebookページ https://www.facebook.com/chariderman/

DMM講演依頼 https://kouenirai.dmm.com/speaker/takuya-shuto/)