曲がったガラスがいいんだもん!

一切の妥協を許さず、細かいところまでこだわり続けたApple(アップル)の創業者 故スティーブ・ジョブズ氏。その血は、氏亡き後も脈々とAppleに流れています。自社製品だけではありません、オフィスにだってこだわります。ジョブズ氏最後のプロジェクトとなった新本社、こだわりは並大抵のもんじゃない!

今か今かと完成が待ち望まれるApple新本社「Campus 2」ですが、まだまでできません。建設がかなり遅れています。

ジョブズ氏が2011年にこの新本社の計画を打ち出したとき、完成予定は2015年でした。さて、すでに2017年。遅れの原因となっているのはAppleのこだわりと、従来のオフィスを脱した斬新、かつ実現が難しいデザインにあります。建設関係者からの情報として、ネタ元のReutersが建設遅れについて報じています。

特定の木材を使うようにというガイドラインだけでも30ページはあるという、Appleからの細かいリクエスト。以前担当していた建築家の1人は「電話を作るときは細かいところまで気を配れるだろうが、建物となると同じようにはいかない。ドアが開かなくなる」と皮肉っています。通常の建築プロジェクトでは、1/8インチの誤差を許容範囲として進むそうですが、Appleはこの数字をもっと小さく求めてくるといいます。誰も見ない裏の裏にいたるまで…。

Apple新本社プロジェクトには、多くの建築家、プロジェクトマネージャー、建築会社が参加しています。その中に、Skanska USAとDPR Constructionという企業がありましたが、かなり早い段階でプロジェクトから離脱。このような大きな案件で途中退場するのは非常に珍しいということですが…何があったのでしょうか? プロジェクト脱退理由は明らかにされていませんが、まぁ、やりにくいことがあったのかもしれませんね。

そして、新本社デザインで最も注目を集めているのは、世界最大サイズとなる湾曲ガラス。Appleらしいデザインですが、ただの世界最大の湾曲ガラスでは気がすみません。通気口やパイプが一切、ガラスに写り込まないようにとの注文がついているのです。出入り口も、完全なるフラットで敷居の段差は一切不可。これを担当していた元建設マネージャーは、リソースの無駄遣いとして数カ月かけて反論したそうですが、Appleは頑として受け付けなかったといいます。Appleいわく「エンジニアが建物に入るときに、足下を気にしなければいけないようだと、仕事の邪魔になる」と。

第16地区評議会のBrett Davis氏は「まるで誰も触りたくない絵画のよう」と、Apple新本社工事を評していますけどね。でももしかしたら、このAppleのこだわりと建設業者の苦労の後には、今まで誰も見たことがない、後世にのこされる建物ができるのかもしれません。ピラミッドのように! バチカン宮殿のように!

いよいよ完成が見えてきた! ドローン空撮によるアップル新本社の最新映像

image: Matthew Roberts - YouTube
source: Reuters

Rhett Jones - Gizmodo US[原文]
(そうこ)