専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第91回

 日本人の死亡順位で多いのは、ガン(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中で、これを俗に「三大疾病」と言います。生命保険に入るときは、欠かすことのできない、特約条項となっています。

 実は、ゴルフの世界にも大叩きしてしまう”三大疾病”があります。まあ、私が勝手に作ったのですが、みなさんも思い当たるフシがあるでしょう。ここで、冗談を交えつつ、紹介していきたいと思います。

 ゴルフで悪いスコアを出す場合、万遍なくダボのオンパレードになるのは、稀(まれ)です。普通はハーフに1、2回ぐらい”ビッグイニング”と言いますか、トリプルやダブルパーが出る場面があります。そこで、スコアがガラガラと崩れ落ちていく――ナイアガラ音頭ぉ〜、と”大叩詠一(おおたたき・えいいち)”先生の出番となります。

 今までの体験学習上、大叩きするパターンはだいたい決まっています。まずは、これです。

◆林間コースでキンコンカン

 昔はよくやったものです。

 今しがた、あなたはドライバーのティーショットを曲げて、林に打ち込んだではありませんか。にもかかわらず、効率よく林から脱出するために、前方にどこか空間はないかと、血眼になって探している。グリーン方面へボールを出し、そこから絶妙のアプローチで寄せワンパーを取ろうと、夢は枯野を駆け巡り中です、って松尾芭蕉かよ〜。

 広いフェアウェーにすら打てないのに、針の穴を通すようなショットが打てるわけもないのです。そういうのは、漫画だけの世界にしておきましょう。

 考え方としては、林に入ったらどこでもいいので、安全に出すのがベストです。ミドルホールの場合、現実的にはそこから3打目も乗らないでしょうから、4オン2パットのダボでよしとする。この謙虚さが大事です。

 林に入ったらダボでいい、と思えば、なんぼゴルフが楽なことか。

 続いては、これ。

◆アプローチ往復ビンタ

 キリストは言いました。「右の頬を打たれたら、左の頬も打たれよ」と。

 ゴルフでは、両頬を打たれることなんて、日常茶飯事です。グリーン手前のアプローチを、しっかり決めてやろうと思ったら、ガ〜ン、トップして向かい側のラフへ。そこからまた、懲(こ)りもせずに同じようなアプローチをして、再びトップ……。

 これじゃ、スコアはまとまりません。

 特に冬場のアプローチは芝も枯れており、非常に打ちづらい状況になっています。それなのに、セオリー通りにSWやAWでいい感じに寄せようとする――これが、大きな間違いです。

 最近、私が実践しているのは、9番アイアンの転がしです。しかも、パターのようにスライドさせて打つので、ミスしてもそこそこ転がります。たとえトップしても、最初からトップの感覚で打つので、さほど距離に変化が生じません。要するに、冬場はグリーンに乗ればいいのです。

 また最近、チッパー(グリーン周りのアプローチ専用に作られたクラブ)の試打をしたら、感じがよかったのでほしくなりました。そこでまず、身近に代用品はないかと思って探していたら、目の前にありました。日頃使っているロフト40度の、8番アイアン相当のユーティリティーが、転がしにちょうどよくて重宝しています。

 でも、アプローチで最も信用がおけるのは、なんといってもパターです。アマチュアはこれが一番。冬場はフェアウェーも枯れていますから、結構転がります。私は、40ヤードまでならがんばって転がしますね。

 パターの何がいいって、ザックリやトップのミスショットがほとんどないことです。距離感だけ注意すればいい、というのが何よりです。

 最後はこちら。

◆バンカー無間地獄

 バンカーは、私もかつて嫌というほど叩いて、トラウマになっています。なにしろ、叩きすぎてスコアを覚えていませんから。

 確か、14か、15打くらいだったでしょうか。これ、ショートのパー3ひとホールでの結果ですよ。ということは、バンカーショットを10回以上やって、ようやく脱出したってこと……。そりゃ、ゴルフが嫌になりますよ。


ゴルフの「三大疾病」もなかなか厄介なんですよね... 今じゃ、バンカーを恐れて、サンドウェッジを3本も入れています。どんな砂にでも対応できるようにしているのです。

 バンカーの砂が硬いと、トップまたはホームランが出やすいです。逆に砂が柔らかすぎると、打っても砂の下をフェースがくぐってボールが飛ばない。

 そうやって、いろいろと考えた挙句、通信販売なんかで売っている”一発脱出もの”のお手頃なサンドウェッジ、これが一番いいと悟りました。コンペの景品でもらった、数千円の安物ですが、これが本当にいいんです。

 ソールが厚くて、フェースがボールの下をくぐることがまずないです。かといって、トップすることも少ないんです。結構フェースが重いので、深く砂に刺さるからなんでしょうね。

 いやぁ〜、サンドウェッジを発明したジーン・サラゼンさんには悪いですが、デカサンドのほうが数倍は楽です。しかも、ルール違反じゃないし。

 バンカーショットで、グリーン方面に乗らないと悟ったら、関係ない場所に打って、バンカーからの脱出を最優先に考えるのもありです。バンカーショットの位置をずらせる、アンプレアブル宣言も有効に使いましょう。ショートホールで10以上叩くのは、ほんと嫌って、誰でもそうですよね。

 というわけで、ゴルフの”三大疾病”をなくせば、だいぶスコアはまとまると思います。ポイントは、練習よりも、コースマネジメントの考え方、そして危機を救う便利グッズ的なギアの選択、これが案外重要ですよ。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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