9日、米外交専門誌フォーリン・ポリシー(電子版)によると、中国の若い世代のナショナリズムは上の世代ほど強烈ではないということが、中国の対外政策に詳しい米政治学者の新しい論文から明らかになった。写真は12年9月に中国で起きた反日デモ。

写真拡大

2017年2月9日、米外交専門誌フォーリン・ポリシー(電子版)によると、中国の若い世代のナショナリズムは上の世代ほど強烈ではないということが、中国の対外政策に詳しい米政治学者の新しい論文から明らかになった。環球時報が伝えた。

西側メディアの報道を長い間フォローしてきた人は、中国の指導者は高まるナショナリズムを和らげるために厳しい態度を取らなければならないという見方に慣れ親しんでいるだろう。だがこのほど発表された新しい論文は、そうした報道が少し的外れであることを示している。

米ハーバード大学のアラステア・イアン・ジョンストン教授が、北京大学の研究者と協力して、2002年から北京市民に「世界の他の国を選ぶことができたとしても、他のどの国よりも中国の市民でありたいと思うか」「一般的に、中国は他の多くの国よりも優れた国だと思うか」「誰もが間違っていると考える場合でも、政府を支持すべきか」というナショナリズムに関する質問を投げ掛けたところ、北京市民のこうした感情は時間とともに増加していないばかりか、反対に第1と第3の質問に強く同意した回答者の割合は、2002年から2015年にかけて急減したことが分かった。中国が「より良い国」であるという第2の質問に強く同意した回答者は若干増加している。

調査結果は、中国でナショナリズム感情が低下しているということだけでなく、中国の若い世代が上の世代よりも国家主義的ではないということも示している。1978年以降に生まれた回答者は、ナショナリズムを鼓舞するような問題に「強く同意する」割合が上の世代よりも著しく低い。北京で夏季五輪が開催された翌年の2009年のように、「他のどの国よりも中国の市民でありたい」と回答した人の割合が7割(2007年は約5割)に達し、「中国は他の多くの国よりも優れた国だと思う」も6割(07年は約3割)を超えるなどナショナリズムが高まる時期もあった。だが2015年にこうした質問に強い同意を示した人は4人に1人程度でしかない。

調査はまた、中国にとってかつての敵だった日本と、地政学上のライバルである米国に対する北京市民の感情も追跡している。2001年の米中軍用機空中衝突や2012年の日本による尖閣諸島国有化など、ナショナリズムを燃焼させる事件は多くあったものの、米国と日本に対し強い否定的な感情を持つ人の割合は2000年以降ほとんど変化していない。

調査結果が持つ政策的意味合いは重要だ。中国の外交政策における強硬的な方向転換は、必ずしも国内のナショナリズムの高まりに対応するためのものではない。米国側から見れば、強烈な反米感情を持つ若者が中国に数多く存在するという懸念は、誇張されたものであるかもしれない。(翻訳・編集/柳川)