独ダイムラーが先頃、ライドシェア(相乗り)世界大手の米「ウーバー(Uber)」と自動運転分野で提携、数年内に自動運転車をウーバーの配車サービス用に供給すると発表しました。

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「ウーバー」は2009年に発足、米カリフォルニア州サンフランシスコを拠点に、一般人が自家用車による有償送迎を行うという構想をIT活用により実現しました。

現在では世界70カ国以上の都市で年間1兆円を超える規模の配車サービスを展開するまでに成長しています。

ウーバーが展開するライドシェア事業の肝となっているのは一般人が自分の空き時間と自家用車(遊休資産)を活用して他人を運ぶ仕組み。

スマートフォンやタブレットを使った移動先からのオンライン配車を可能にしており、信頼性・安全性を担保する手段として、ドライバーと利用者が相互評価をし合うシステムを採り入れています。

このシステムにより、利用者は評価が高いドライバーを選択、ドライバー側も問題がある利用者は乗せないで済むという訳です。

昨年5月にはトヨタ自動車が、同8月にはボルボが自動運転車の共同開発で「ウーバー」と提携しました。

米GMは米配車大手の「リフト」に出資、フォードもライドシェアのベンチャー、米チャリオットを買収するなど、自動車大手がこぞってカーシェアリング事業への参入に積極的な動きをみせています。

ウーバーは自動運転の実現に向けたプラットフォームを提供する「モビリティ・サービスプロバイダー」であり、乗用車生産の経験が無く、製造自体が極めて難しいことから、自動車メーカーの協力を必要としています。

今回ウーバーとの提携を発表したダイムラーは、自動車の発明会社として、「CASE」(Connected/Autonomous/Shared&Services/Electric)という4つの新たな企業戦略の元、モビリティ社会の再構築を目指しているそうです。

同社はウーバーの配車システムを活用して、自動運転車の開発を加速させるのが狙いとみられ、また、ウーバーも「ロボットタクシー」実現に向け、自動運転による配車試験を既に始めるなど、事業化に向けた車両を確保する思惑がある模様。

新聞報道によると、ウーバーは自社配車サービスのプラットホームを公開し、それに基づきダイムラーが自動運転車を開発、ウーバーの配車ネットワークを使ってライドシェア事業を展開するようです。

こうした動きの一方で、既存タクシー業界からの反発が世界的に表面化しています。

ウーバーが2013年に進出した台湾では同社を「違法なタクシー業」と見做しており、1月に無許可営業に対する規制強化を目的に新法が施行され、同社は2月10日以降、台湾での営業停止に追い込まれたそうです。

通常のタクシーに比べ、1-2割安い料金や利便性を武器に支持を広げたものの、免許制に基づいて営業しているタクシー業者が「不公平」として反発している模様。

日本でも一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶ「白タク」は道路運送法で禁止されており、例外的に認められているのは公共交通機関が少ない「交通空白地」や、一部の国家戦略特区のみとなっています。

こうした既存タクシー業界との摩擦や法規制への対応が、今後のライドシェア事業展開における大きな課題といえそうです。

Avanti Yasunori

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