水戸戦1・2本目で先制点を挙げた小林だが、チームのパフォーマンスには苦言を呈した。写真:江藤高志

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 沖縄でキャンプを張る川崎が2月8日、中城村にある吉の浦公園ごさまる陸上競技場で水戸を相手に練習試合(45分×4本)を行なった。
 
 この試合を取材するにあたり確認しておきたかったのが、鬼木達新監督がここまで多くの時間を割いて作ってきた守備面の仕上がり具合と、7日から時間を増やし始めた攻撃面の連係だ。
 
 怪我人を除く現時点でのベストメンバーを並べた川崎は、前日7日の練習で試していた家長昭博の1トップに中村憲剛をトップ下に配する布陣でスタート。対する水戸は、最終ラインを高く押し上げて全体をコンパクトに維持し、川崎からスペースを奪う形で試合を進めた。
 
 そんな試合は川崎が立ち上がりからボールを握り続ける展開となる。ただ、スペースを削ってきた水戸に対し、川崎は仕掛けの局面で攻撃をうまく作れず。おそらくは水戸が意図的に開けてきたであろうサイドのスペースにパスを回さざるを得ず、中央を攻略するまでには至らなかった。これに対してキャプテンの小林は動きに問題があるとして、次のように指摘した。
「動くところからやっていかないと、点を取る作業は難しいなと思います」
 
 さらに小林は、動きの質に言及しつつも「一番は動きの量ですね。動かなさすぎですね。もっと動いてパスを引き出さないといけない」とチーム全体に苦言を呈していた。
 
 水戸に守られた45分の1本目を0-0で終えた試合は、その水戸が弛み始めた2本目に川崎が攻撃の形を作り始める。2本目の16分には左サイドを連係で崩し、ゴールライン際までえぐった阿部浩之がクロス。このボールを中央の小林悠が頭で合わせて先制点を奪う。
 
 この場面を「選手の動きも多かったですし、タッチ数が少なくて回る」と振り返る小林は「ああいうシーンを前半からもっとやらないといけないと思います」と反省していた。この2本目の終了間際の45分に中村憲剛のFKを家長昭博が頭で合わせ2点目。1本目、2本目の90分は2-0で川崎の勝利で終わっている。
 
 続く45分の3本目、4本目として行なわれた2試合目は、狩野健太が1ゴール・2アシストの活躍を見せる。自身で先制点を手にすると、森本貴幸と三好康児のゴールをお膳立てし、3得点すべてに絡み3-2で勝利した。2失点の守備に課題は残すが、悪くない結果だったと言える。
 
取材・文:江藤高志(川崎フットボールアディクト編集長)