2017シーズン 選手の補強一覧

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2人の功労者が去り新たなサイクルへ

 フットボールチャンネル編集部では、Jリーグ開幕に向けて各J1クラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。今回は、昨季のリーグ戦を年間勝ち点6位で終えたサンフレッチェ広島を占う。

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 昨季はゼロックススーパーカップを勝利し、怪我人に苦しみながらもファーストステージは4位で乗り切ったものの、夏に塩谷司がリオ五輪の日本代表にオーバーエイジ枠で選出され、浅野拓磨もアーセナルへと移籍。

 青山敏弘も負傷からトップパフォーマンスに戻るのに時間が掛かり、セカンドステージは10位に終わった。年間総合順位でも6位と就任以降5年間で3度のリーグ優勝をもたらしてきた森保一監督において不本意といえるシーズンとなってしまった。

 不変だった3-4-2-1のシステムに2トップなどのオプションを加えたものの、固定したメンバーで戦ってきたことへの勤続疲労なども否めず、チームに新たな刺激が必要だと感じる2016年だった。今オフには佐藤寿人が名古屋グランパスへ移籍、森崎浩司が引退と新たなサイクルに入ることを予感させた。

広島らしい静かなオフ。ウタカの去就はいまだ不透明

 今年も静かに陣容を整える広島らしいオフを過ごした。昨シーズン途中に浅野がチームを去り、今オフに佐藤寿人も退団。さらにヴィッセル神戸のレアンドロと並んで19得点を挙げて得点王に輝いたピーター・ウタカの公式ホームページに名前の掲載はない。1トップを務めた3選手が一気にいなくなってしまった。

 ウタカは清水エスパルスからの期限付き移籍という形で昨季はプレーしていたが、「現在交渉中」とリリースされており、去就はいまだ不透明なままだ。

 その1トップのポジションにはアメリカMLSでプレーをしていた工藤壮人が2年ぶりにJリーグに復帰して穴を埋める。ボールを受ける、裏を取るという広島の攻撃の核とも言えるポジションとなるだけに、早急に連携を深めたいところだ。

 シャドーのポジションにはブラジルからフェリペが加入。森崎浩司が背負っていた背番号7を与えられた茶島雄介や宮吉拓実といった伸び盛りの選手たちとの競争が楽しみだ。柴崎晃誠、アンデルソン・ロペスをどこまで脅かすことができるだろうか。

 ボランチにはヴァンフォーレ甲府で昨シーズン33試合に出場した稲垣祥を獲得。シャドーも対応可能だ。甲府からの加入という点では、主力クラスの佐々木翔や柏好文といった選手と同じでチームに馴染むのもそう難しくはなさそうだ。GK林卓人のバックアッパーとしてファジアーノ岡山から中林洋次が帰還した。

1トップの陣容に不安。本職は工藤&皆川のみ

 陣容に大きな不安はないものの、強いて挙げれば1トップのポジションになる。工藤と皆川佑介の2人しか本職の選手がおらず、昨シーズン点を奪うためのオプションとして時折採用した2トップをやる場合には、単純に枚数が足らない状況になっている。今シーズンから拡大した外国人枠も含め、もう1枚は確保したかったところだ。

 佐藤、森崎浩司の退団に代表されるようにチームは間違いなく転換期に差し掛かっており、それに伴う不安や難しさはあるだろう。

 しかし、今オフも確実に必要なポジションに必要な選手を補強し、大きな穴は見つからない。今シーズンはACLもなく、序盤戦をじっくり戦うことができるのもメリットとなるはずだ。

 森保政権も6シーズン目となり、チームの軸や戦い方に大きな変化や不安はない。1トップと2シャドーは顔ぶれが変わり、新たに連携を構築しなければならないが、後方から中盤にかけてはメンバーもほぼ固定。チームが揺らいでしまったときに戻れる場所があることは、1シーズン制になることを考えると強みとなる。狙うは6シーズンで3度目となるリーグタイトルの獲得だ。

診断

補強診断 B

 派手ではないものの、的確に必要なポジションに実力者を補強する広島らしいオフを過ごした。ウタカの穴を埋めるべく補強した工藤は実力者であり、広島のスタイルにもフィットするだろうが、もし馴染めなかった場合、得点力不足に陥る可能性もある。シャドーやボランチはフェリペや稲垣らの獲得でむしろ層が厚くなった。

総合力診断 A

 森保監督が植え付けてきた戦い方は不変で一貫性という点ではJの中でも屈指だ。メンバーの入れ替わりも最小限となり、3バック、ボランチといったチームの肝となるポジションでは千葉や青山がしっかりとチームを支えている。怪我人が続出するなどのよほどのことがない限り、そう簡単に大崩れはしないだろう。

text by 編集部