2017シーズン 選手の補強一覧

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フィッカデンティ監督のもと守備戦術が浸透

 フットボールチャンネル編集部では、Jリーグ開幕に向けて各J1クラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。今回は、昨季のリーグ戦で年間総合11位だったサガン鳥栖を占う。

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 バイエルンやヴォルクスブルクをブンデス王者に導いたフェリックス・マガトの招聘には失敗したものの、FC東京に堅守速攻の哲学を植え付けたマッシモ・フィッカデンティを監督として迎えた昨季のオフ。

 走り切る、まずは守備から入るという鳥栖のスタイルにフィッカデンティ監督のやり方は一致しているように見えたが、昨季のファーストステージでは苦戦を強いられた。守備はある程度機能した一方で深刻な得点力不足に陥った。

 それでもフィッカデンティ監督の下、Jリーグではなかなか見ることができない4-3-1-2のシステムや細かい守備戦術を選手たちが消化していくと成績も徐々に向上。セカンドステージでは川崎フロンターレや鹿島アントラーズをホームで下し、継続の2017年に向けて大きな期待が膨らむシーズンとなった。

キム・ミヌ&林の代役確保に成功。エース豊田の相棒には小野裕二

 今オフの大きなテーマは2つのポジションの穴埋め。キャプテンとしてチームを牽引したキム・ミヌが抜けた右インサイドハーフと幾度となくビッグセーブでチームを救った林彰洋がFC東京へと移籍したGKだ。

 キム・ミヌが抜けた右インサイドハーフにはJ2へと降格した名古屋グランパスから小川佳純が加入。名古屋時代にはリーグ優勝も成し遂げており、若手選手へ経験を伝えていく役目も担いそうだ。さらに技術に優れた川崎から原川力、ハードワーカーの太田徹郎が加わり、ベストではなくともベターな補強はできたと言えるだろう。

 一方でGKでは権田修一がSVホルンからJリーグに復帰。林の穴を埋めた。すでにFC東京でフィッカデンティ監督の下でプレーをしていた経験もあり、守備戦術をマスターしている点は大きい。堅守が武器となるチームなので、権田にかかる期待は大きい。

 FWにはエース豊田陽平の相棒候補として小野裕二がベルギーからJリーグに復帰し、右サイドバックでは小林祐三が加入して藤田優人と激しいポジション争いを繰り広げる。フランコ・スブットーニ、水野晃樹など実力者が加入し、全体的なチームの層は厚くなったと言えるだろう。あとは新戦力がフィッカデンティ監督のスタイルに馴染むことが求められる。

ハードワークと守備が基本戦術に

 まずは全員でハードワークと守備をしっかりと行ってから、攻撃に出ていくというフィッカデンティ監督のスタイルはとても細かい部分が要求されるだけに、チームに落とし込むまでに時間を要する。FC東京を率いていた時の成績も、そして昨シーズン鳥栖がファーストステージ苦戦したことからもそれは証明されている。

 よって、昨シーズンのメンバーが基本となり、そこに新加入の選手たちが新たなアクセントを付けることができるかが、タイトル獲得やチームが一つ上のステージに登るために必要不可欠になる。

 攻撃陣では小野はもちろん、原川に期待が掛かる。豊田の高さと強さ、鎌田大地のテクニックに次ぐ、攻撃の武器として攻撃に迫力をもたらしたい。まずはフィッカデンティ監督の戦術を理解することが求められるが、技術は確かなだけに早くフィットすれば、面白い存在となる選手だ。

 不動の最終ライン4枚(藤田、キム・ミンヒョク、谷口博之、吉田豊)は堅守を誇り、今シーズンはフランコ、小林と層も厚くなった。アンカーの高橋義希はチームの心臓ともいえるだろう。

診断

補強診断 B

 キム・ミヌの穴は小川、原川、水野、太田と満点ではないものの合格点をもらえる補強で埋まった。むしろ層は厚くなった。

 前線も豊田と小野のコンビネーションは楽しみが広がり、最終ラインは不動の4枚に経験豊富な選手が加わった。GKではフィッカデンティ監督とFC東京で戦った権田が加入した。

総合力診断 C

 補強ポイント2点をベストではなくとも、ベターで埋めた。吉田、福田、鎌田などフィッカデンティ監督の下で成長を遂げる選手に加え、経験を持った選手が加入してチームがワンランク上に行くための陣容は整った。FC東京も就任2年目に4位に導いたフィッカデンティ監督の手腕が問われる。

text by 編集部