「大人の引きこもり」に対する「甘えではないか」「言い訳なのではないか」といった世間の反応は少なくない。それは真実なのだろうか

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甘えや言い訳ではないか――。
「大人の引きこもり」に対する世論

 このところ、「大人の引きこもり」というテーマでラジオに出演する機会が度々あり、リスナーから「甘えではないか」「(正当化するための)言い訳なのではないか」といった反応を数多くいただいた。

 果たして、本当に「甘え」や「言い訳」なのだろうか。

 きっかけは、連載第272回で紹介した「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」による全国の自治体窓口を対象にした調査報告だ。

 これは、本人の平均年齢が「45.3歳」、兄弟姉妹から相談を受けるケースが30%に上るなど、引きこもる中高年がいる高齢化家族が将来の生活に不安を感じて助けを求めている実態が、初めて示されたエビデンスだった。

 この調査から見えてきた最も憂慮される実態は、「ひきこもり支援において、現在は実施していないが、必要性を感じている支援内容」という質問に対して最も多かった回答が、「本人の居場所」(57%)という切実なものであったということだ。

 また、KHJがちょっと調査しただけで、相談に訪れている本人や家族がこれだけ高年齢化していることがわかったということは、水面下にはもっと数多くの高齢化した引きこもり当事者たちが埋もれていることを意味している。

 言い換えれば、これまでの行政の「引きこもり支援」が上手くいっていなかったということでもある。

 しかし、世論の矛先は、こうした行政の対応の拙さに向かうのではなく、置き去りにされた引きこもり当事者に向かってしまう。これらは、生活保護などの弱者の問題にも見られるで傾向で、当事者たちを脅えさせ、社会から遠ざける障壁にもなっている。

 これまで「引きこもり支援」の名の下に、膨大な税金を使って枠組みをつくってきた行政対応について、上手くいっていたのか、上手くいっていなかったのかは、そろそろ誰かが検証しなければいけない。

 昨年9月、内閣府は39歳までを対象にした「ひきこもり実態調査」を実施し、担当者が会見で「6年前の調査より15万人減ったのは、支援の成果」だと説明した。あまりにも現実と乖離しているエピソードだった。

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