異物混入事件などで客足が遠のき、一時は倒産の危機も囁かれた日本マクドナルドですが、徹底した改革が功を奏し、今年1月までに14カ月連続の増収を記録しました。その好調の理由として、無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんは、「2016年の新商品投入で引きつけた顧客に、定番商品を買わせるという戦略が実ったのではないか」との見解を記しています。

マクドナルド、「総選挙」で増収。業績好調で戦略転換の可能性

佐藤昌司です。日本マクドナルドの1月の既存店売上高は前年同月比12.3%増と好調でした。14カ月連続の増収です。客数は11.0%増、客単価は1.2%増となりました。

1月はハンバーガーの新商品の投入がなかったにもかかわらず増収となりました。「マクドナルド総選挙」と銘打った定番商品を打ち出したキャンペーンが集客に貢献しました。新商品ではなく定番商品でのキャンペーン展開は珍しいといえます。

2016年はほぼ毎月、ハンバーガーの新商品の投入や人気ハンバーガーの復活販売による期間限定のキャンペーンを行いました。キャンペーンで話題を集めることで集客を図りました。新商品を目当てに多数の消費者が来店しました。

12月は「グラコロ」、11月は「かるびマック」「チーズカツバーガー」、10月は「テキサスバーガー」、9月は「バリューランチ」、8月は「月見バーガー」、7月は「45周年記念バーガー」、6月は「裏メニュー」、5月は「ロコモコバーガー」、4月は「クラブハウスバーガー」「グランド ビッグマック」、2月は「北のいいとこ牛(ぎゅ)っとバーガー」、1月は「チキンチーズバーガー」を投入しています。

新商品は儲からない

新商品の期間限定販売は話題性があるため集客に寄与します。しかし、期間限定販売の新商品は集客できますが、原価率が高く、利益への貢献度は低くなりがちです。

前社長の原田泳幸氏は著書『成功を決める「順序」の経営』(原田泳幸著/日経BP社)で「消費者を『驚かせる』ような新商品を出し、消費者の関心をぐいっと引き寄せて爆発的にヒットさせる。でも、それだけでは『儲からない』んです」と述べています。やはり新商品は儲からないようです。

1月に新商品を投入せず、定番商品でキャンペーンを行ったことから、マクドナルドは戦略の転換を模索している可能性があります。集客重視から利益重視への転換です。客数は13カ月連続、前年同月比で増加しています。客足は戻っていると判断しているのかもしれません。そこで、儲からない新商品ではなく、儲かる定番商品で勝負しようとしていると思われます。

定番商品は儲かる

『成功を決める「順序」の経営』(原田泳幸著/日経BP社)で原田氏は「その顧客は、いつかキャッシュカウであるビッグマックを注文してくれます。そこできちんと利益が取れるわけです」と述べています。新商品目当てで来店した顧客がキャッシュカウ(利幅が大きい商品)のビッグマック(定番商品)を買ってくれることで利益が出るとしています。

「マクドナルド総選挙」は定番商品の人気投票キャンペーンです。利幅が大きい定番商品にフォーカスを当てているため、利益重視のキャンペーンといえます。新商品の投入がないため客数が伸びない懸念がありましたが、結果として客数は高水準で増加しました。利益確保と集客の両方を実現しています。

マクドナルドとしては、「マクドナルド総選挙」キャンペーンは大成功といえるでしょう。今後の戦略に大きく影響を与えそうです。

image by: Shutterstock.com

繁盛店の法則がわかる教科書 (クリエイションコンサルティング) Kindle版

 

『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』

著者/佐藤昌司

東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。

出典元:まぐまぐニュース!