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●ワークスタイル改革を支える環境をレノボが提供
レノボ・ジャパンは8日、ビジネス向けノートPC「ThinkPad」シリーズの2017年モデル9製品の国内販売を発表し、これに合わせて、都内で記者説明会を開催した。目玉となるのは第5世代となるThinkPad X1 Carbonで、従来モデルからさらなる薄型軽量化を実現した技術的な技術的な挑戦について解説した。

説明会では、冒頭にレノボ・ジャパン 専務執行役員の安田稔氏が昨今のワークスタイル改革への取り組みついて紹介。以前にも増して、長時間労働の是正をはじめとする労働環境の整備や、生産性向上に注目が集まっている。

かつてはオフィス内に留まって業務をすることが多かったが、現代ではオフィスに限らず、例えば出先のカフェや、移動中の電車や飛行機などどこにいてもビジネスができることが求められつつある。また、子育てや介護といった事情で出社できない場合に自宅でも仕事ができる環境を会社が整備していく必要がある。レノボ自身も全社的にテレワークを導入するなど、ワークスタイルの改革に取り組んでいる。

日本では政府の後押しもありワークスタイル改革も進みつつあり、レノボもThinkPadなどの製品やサービス、ソリューションを通じて、ワークスタイル改革を支える環境を提供するとあいさつした。

○"14型"と"マルチモード"をアピール

引き続き、レノボ・ジャパン コマーシャル製品事業部 コマーシャルノートブック・タブレット担当の吉原敦子氏が製品の詳細を説明。「ユーザーの成功を支える」というThinkPadの理念は変わらないが、必要な変化には対応するということで、MILスペックに準拠したテスト項目を従来の10から12に増やしたという。また、Windows 7を使いたいとの企業の声に応え、新製品でも第6世代Intel Coreプロセッサ搭載モデルを投入する。

新製品の大きな変更点として、狭額縁、国内向けの製品でもLTE対応モデルを展開、次世代規格(USB Type-C/Thunderbolt 3)への対応、管理性の向上の4つを挙げる。

ワークスタイル改革に向けて14型モデルや、マルチモード製品の活用をお勧めするという。オフィスでは15.6型モデルが多く使われているが、サイズが大きく重い。これでは携帯性が損なわれてしまう。一方で、12〜13型のモバイルノートPCでは画面が狭くて作業性が低下するケースも考えられるため、14型が作業性と携帯性のバランスのとれた機種になるアピールする。

新しいThinkPad X1 Carbonは狭額縁化によって13.3型クラスの筐体に14型液晶を収めている。従来モデルと比べると、幅で9.5mm、奥行きで11.9mmのフットプリントを削減し、違いは一目瞭然だ。

14型モデルとしてThinkPad T470sも紹介。有線LANポートがほしいという企業ユーザーの声に応えるほか、ディスプレイもタッチパネル対応/非対応が選択できるようになった。この2製品にThinkPad X1 Yogaを加えた3製品をモバイル向けの14型モデルとしてアピールする。

ノートパソコンとタブレットの機能を併せ持つマルチモード製品は、タブレットも必要だが、入力デバイスとしてのキーボードが欲しいという企業ユーザーのニーズに応える製品になる。こちらはThinkPad X1 Yoga、ThinkPad Yoga 370とThinkPad X1 Tabletでカバーする。

○豊富な純正アクセサリーで生産性向上に貢献

さらにレノボ、特にThinkブランドの強みとして、豊富な純正アクセサリーの存在を挙げる。オフィスや自宅、外出先や出張先で活用できる豊富なアクセサリーを使う事で生産性向上に貢献するという。

また、管理性に関しては「エラー音の進化」についても紹介された、従来、PCに問題が発生するとエラーコードが表示されるのだが、そのエラーコードが何を意味するのかマニュアルをめくる必要性があった。新モデルでは、今回は専用スマホアプリにエラー音で障害コードとシリアル番号を送信する。これによって障害内容がわかりやすいテキスト表示されるだけでなく、シリアルコードによってその端末が保証期間中であるかどうかも分かる仕組みとなっている。

薄型クラムシェルやマルチモードPCに加えて、オフィス業務のメインストリームを担う、PCとして、ThinkPad L570/L470/13/X270と取り揃え、企業が求めるニーズに幅広く対応するという。

●9年ぶりにカバーの構造を刷新し、さらに軽く強く
○9年ぶりにカバーの構造を刷新し、さらに軽く強く

続いて、ThinkPad X1 Carbonで新たに導入されたイノベーションについて、レノボ・ジャパン JDC 機構技術 システム機構設計の潮田達也氏が解説した。第5世代ThinkPad X1 Carbonでは、ディスプレイの狭額縁化を実現した。

狭額縁化はノートPCに限らず、昨今のPCにおけるトレンドの1つだが、ベゼルが狭くなることで、Webカメラやアンテナの配置が課題となる。他社製品ではディスプレイ下部にカメラを設置するケースも多いが、ThinkPad X1 Carbonでは、使いやすさを考慮してこれまで通り、液晶上部の真ん中という「特等席」をキープしている。一方で、配線が問題となる各種アンテナとケーブルは首下に移動することで幅、高さともに削減することに成功したという。

ワイヤレス機能に関してはキーボード上部と手前左右にアンテナスペースを確保し、マグネシウム合金のフレームにガラス繊維強化樹脂のアンテナ窓を付ける設計を採用するなど、大幅な変更が行われた。接続性に関しては通常のフィールドテストに加えて日本、アメリカ、ドイツで念入りにチェックしThinkPad品質を保ったという。

ユーザビリティに関して、クリックパッドの操作音(カチカチ音)が静かな会議室では目立つということで新設計のスイッチを設計し、大幅に操作音を低下させた。

天板のカバーに関しては構造を刷新。従来は強度と弾性率のバランスのためにカーボンプリプレグの中に樹脂製の発泡体を挟んでいたが、今回は中央層に低密度カーボン網を使用し、"フルカーボンサンドイッチ"構造を採用した。これによって、さらなる軽量化を実現し、具体的にはトップカバーで20g軽量化できたという。

また、従来はカーボン板の周囲にガラス繊維樹脂を射出してトップカバーを整形していたが、射出樹脂が冷える際に歪みやそりが発生し、これが歩留まりの低下となっていたという。今回はあらかじめ作成したフレームにカーボン板をはめ込み、そこにガラス繊維強化樹脂を射出することで、射出樹脂量を押さえて歪みを低減。ギリギリいっぱいまでカーボン板が入ることで高剛性化も実現できたという。

カーボン板も従来は厚みが一定だったのに対し、新カーボン板はフチの射出部分の樹脂を考慮して薄くしている。カーボン素材に関しては9年前のThinkPad X300から同じ素材を使用していたので、今回構造、工法を一新することでより軽く美しくなり、製造生産性も向上したことをアピールしていた。

最後にレノボ・ジャパン UX&ノートブックSW開発部長の吉山典利氏がソフトウェアの変更としてキーボード配置の一部変更と追加ソフトの変更を紹介。キーボード配置の変更と言っても物理的なレイアウトは変わらず、Fnキーと一緒に押す定義キーを一部見直して、Fn+F12がユーザー定義キーになったことや、従来隠し機能だった機能を明示化。ファンクションキーとメディアキー、CtrlとFnキーを入れ替える機能が加わっている。

ソフトウェアは、Setupプログラムで行っていたデバイスドライバーをINF構成に変更し、Windows Updateの親和性を向上、また一部のLenovoユーティリティをLenovo System Interface Foundationとして統合化したという。

○写真で見るThinkPad新モデル

(小林哲雄)