C大阪に復帰したMF清武弘嗣は左サイドハーフで先発し、後半はトップ下に入った

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[2.8 練習試合 C大阪0-0横浜FC 国際海浜]

 久々に袖を通したピンクのユニフォームが輝いていた。今オフにセビージャから4年半ぶりとなるJリーグ復帰を果たしたセレッソ大阪のMF清武弘嗣は左サイドハーフで先発出場。「いろいろ試しながら、考えながらやった試合。いい感じでやれていたシーンもあれば、改善すべき点もあるのかなと思う」と、“復帰初戦”を振り返った。

「最初の試合だったので、みんなが気を遣ってくれて、ボールにたくさん触らせてくれた。そこはやりやすかったけど、これから今日の試合を見直して、みんなで話しながらいろんなことを改善していければ」

 前半9分、左サイドから中に絞ってくさびのパスを入れると、FW杉本健勇がワンタッチではたいてFW柿谷曜一朗のシュートにまでつながった。同34分にはDF松田陸の右クロスがファーサイドに抜けてきたボールを自らフィニッシュ。これは枠を捉えられなかったが、その1分後にも杉本、柿谷らと細かいパスワークでチャンスをつくった。

 試合を視察した日本代表の手倉森誠コーチをうならせたのは前半43分のシーン。左サイドの低い位置から柿谷の動き出しを見逃さず、絶妙なロングフィードで柿谷のシュートを演出した。これには清武自身、「(柿谷)曜一朗は一瞬の動きで相手をはがせる。今日は一つあのシーンが出て良かった」と納得の表情。手倉森コーチも「あいつ(清武)は形、スタイルがある。セビージャではワンタッチではたくのを毛嫌いされていたみたいだけど、日本では周りもやり方を理解しているし、そういう形が出ていた」と、随所に良さを見て取ったようだ。

 後半はトップ下にポジションを移し、後半16分までプレー。セビージャでは試合から遠ざかっていたこともあり、「久々の試合だったので、自分のコンディションを見ながら、チームがどう戦うのかを見ながらやった」と、コンディションも戦術理解も発展途上にある。「結果は0-0。決めないと勝てないし、次はしっかりゴールを決められるように形をつくりたい」と、11日に行われる福岡との練習試合を見据えた。

 練習試合とはいえ、C大阪の一員としてプレーするのは12年6月30日のJ1浦和戦以来、1684日ぶり。「楽しかったですよ。やっとまたセレッソの一員になれたのかなと」と笑顔を見せる一方、「でも、もっとこだわらないといけない。勝つことで自信を付けて、セレッソ自体がもっともっといいチームになっていかないといけない」と、今月25日のJ1開幕に向けて決意を新たにしていた。

(取材・文 西山紘平)


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