ティファニーやラルフローレン、相次ぐCEO退任発表で株価下落

写真拡大

米小売業界でCEOの交代劇が続き、株価も下落を続けている。

2月6日、宝飾品大手ティファニーがフレデリック・キュメナルCEOの退任を発表すると、同社の株価は78ドル(約8,730円)へと2%近く下落した。業績低迷にかかわらず、株価はそれまで過去半年で25%以上上昇していた。
   
衣料品大手のラルフローレンも2日にステファン・ラーソンCEOの退任を発表したばかり。突然のCEO交代に投資家たちは神経質になっているようだ。

キュメナルが仏高級ブランドグループLVMHからティファニーに移ったのは22か月前のこと。ドル高で海外からの観光客が減りつつあった時期で、不運なタイミングだった。主な観光都市にある店舗での売上減少という嵐をなんとか切り抜けたところで、ドナルド・トランプが大統領選に勝利してまたもや難題に直面。トランプ・タワー周辺の警備強化や抗議デモの影響で、隣接するニューヨーク本店の売上が打撃を受けた

1月には、クリエイティブ・ディレクターのフランチェスカ・アムフィテアトルフが同社を去り、その後継としてコーチの前社長、リード・クラッコフをチーフ・アーティスティック・オフィサーに任命した。クラッコフは昨年夏に同社に移ってきたばかりだ。

投資銀行ゴールドマン・サックスの調査チームは、ティファニーが再び500ドル(約5万6,000円)未満のより手頃な価格の商品ラインに戻ると考えている。みずほ証券は6日、ティファニーの株の格付けを「バイ」から「ニュートラル」に、目標価格を90ドル(約1万円)から74ドル(約8,280円)に引き下げた。

一方のラルフローレンは、過去6か月で株価が76ドル(約8.520円)へと20%以上下落。ラーソンはCEO職に就いて1年足らずで退任となった。ギャップの低価格ブランド「オールドネイビー」を業績回復に導いたことで業界でも名高いラーソンの突然の退任を受け、同社の株価は6年ぶりの低水準に下落した。

その他、2016年夏には百貨店大手メイシーズのテリー・ラングレンCEO(当時)が退任を発表し、今年初頭、ジェフ・ゲネットがその後任に決まった。同社はカナダの小売大手ハドソン・ベイに売却される可能性が噂されており、株価は過去6か月で32ドル(約3,590円)へと5%以上下落。この1年で株価は19%下落している。

上場投資信託に関する情報サイトのETFチャンネル(ETFChannel.com)によれば、SPDR S&P小売ETFの1月上旬のアウトフローは約1億120万ドル(約113億円)を記録。前週から16.1%の減少となった。また2016年12月30日時点でショートポジションの数は45%の増加を記録し、これは小売業界の業績見通しについて悲観的な見方を示唆している。

小売ETFは過去6か月で4%下落し、200日移動平均を下回っている。つまりショートポジションを取っていた投資家たちは正しかったのだ。相次ぐCEOの退任発表は予想していなかったかもしれないが、彼らは小売業界の環境が厳しくなりつつあることを知っていたということだ。

ちなみに筆者は上述の企業の株は一切保有していない。