2017年1月の「東日本大震災」関連倒産は1件(前年同月9件)にとどまった。2016年12月の3件を下回り、月次では調査開始以来の最少件数になった。
 このように収束傾向が強まるなかで、累計件数は震災から6年目を前にして1,781件(1月31日現在)にのぼった。なお、1月の負債総額は13億円で3カ月連続で前年同月を下回った。

東日本大震災関連倒産 震災後月次推移

2017年1月の倒産事例

 温泉ホテル経営の(株)AKH(TSR企業コード:180072293、法人番号:6420001000315、東京都)は、青森県で「浅虫観光ホテル」を経営していた昭和5年創業の老舗企業。
 陸奥湾を一望できる立地や料理に定評があり、ピーク時の売上高は8億6,400万円を計上していた。しかし、東日本大震災以降は売上高が約2億3,000万円にまで落ち込むなど、苦戦を強いられていた。その後は借入金返済が滞り、経営状況も改善が進まないことから、債権者が不動産競売の申し立てを行い競売の開始が決定された。別のホテル経営会社が土地建物を落札するなかで、本社地を東京に移転すると同時に現商号に変更し、破産を申請した。

 「震災関連」倒産の累計1,781件を都道府県別でみると、最多は東京の545件。次いで、宮城150件、北海道84件、神奈川71件、福岡と千葉が各70件、岩手68件、茨城66件、群馬59件、栃木54件、福島49件、静岡48件、山形46件、埼玉45件、大阪44件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は367件(構成比20.6%)だった。

 「震災関連」倒産の累計1,781件を産業別でみると、最多は宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の472件。次いで、製造業400件、卸売業332件、建設業216件、小売業165件と続く。
 被害型で分類すると、「間接型」1,621件(構成比91.0%)に対し、「直接型」は160件(同8.9%)だった。

東日本大震災関連倒産

震災関連の集計基準

「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。

  1. 震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型)
  2. 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型)
  3. 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)
  • 集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
  • 「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。

倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)

  • 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
  • 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
  • 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)