木造建築のおしゃれな設計デザイン〈外観〉

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具体的に家づくりのイメージの参考にしていただけるように、木造建築における丈夫かつおしゃれなデザインについて、モデルハウスをもとに具体的に提案します。
 今回は、モデルハウスの立地条件、外観から玄関までのアプローチを中心にご紹介します。

丈夫かつ「カッコいい」家

 1年を通して快適に過ごせ、健康的で丈夫な家、というだけではまだ足りないものがあります。洗練されたおしゃれな空間でなければ、住む人はやはり満足がいかないものなのです。つくる側としても、「カッコいいなぁ」と思える家を提供してこそ、心から満足できます。
 実際の施工例としても、家づくりを検討していただき、宿泊体験していただくために建てたモデルハウスです。
 設計は建築家の伊礼智さんです。

モデルハウスの立地条件は

 敷地はさほど良いとはいえない状態だったのです。それなりに広さはあり、角地ではあるけれど、北西向きですから、日照抜群というわけにはいきません。
 そのうえ、東側は隣家に接しており、南側にはアパートが建ち、各部屋のベランダがこちらを向いているのでした。
 そんな敷地に家を建てて、どうすればプライバシーを確保できるのか。快適に過ごす工夫、洗練されたおしゃれなデザインにする工夫など、まさに建築家の腕の見せどころです。

眺望・日照良好でプライバシーも守る工夫

 敷地の条件では、北西側に玄関を設け、同じく部屋の窓もできるだけ大きな窓にする良い案です。
 敷地に対して斜めに傾けたかたちで建てることで、隣家と平行した向きで美しい街並みを乱さずに済み、さまざまなメリットを得られました。
●家の中から窓ごしに庭が広々として見える
●道路から家を眺めたとき、真正面から見上げたときよりも、ぐんと大きな家に見える
●敷地に対して斜め35度の角度で太陽光と風を取り込みやすくしている

森の中の一軒家を訪問するみたいなアプローチ

 敷地の約3分の2は庭です。敷地に対して家を一回り小さくしても狭さを感じさせないデザインで光熱費もおさえられ、とてもエコロジカルです。
 造園家によって植栽がなされ、自然の石を配置し、適度な高低差がつけ、木々をくぐって階段をのぼり、玄関へアプローチしていくので、「森の中の一軒家を訪問するみたいな感じ」とステキな印象持ってくださるでしょう。

内と外の境界はあいまいにする

 階段をのぼって玄関に近づくと、「屋根付きの庭」という感じのスペースがあり、ベンチが置かれています。
 これは、ちょっと立ち寄ってくれたご近所さんなどと話ができるようにと考えてつくられたスペース。
 ここは家の中? それとも外? 境界線をあまり明確にしないほうが良いというのが、伊礼智さんの設計デザインコンセプトです。内と外とがつながるので、広さを感じさせます。こんな素敵な発想そのものに、ゆとりが感じられます。

内と外の間に「中間地帯」を設ける

 玄関は、二重構造になっています。ひとつ目の玄関は、ガラリの格子扉で、扉を開けると正面に玄関ポーチがあり、木のベンチが置かれています。
 宅配便の人や、ちょっとした用事でいらした方など、ここで話ができるように工夫が凝らされているわけです。
 お招きしたお客様をお出迎えしたりお見送りしたりというときにも、とても役立つスペースです。

優れものの「玄関ポーチ」

 この玄関ポーチというものは外と内の中間地帯で、格子扉から風がよく入る気持ちの良いスペースです。防犯上、鍵をかけられ安心です。
 玄関ポーチの左側部分は、収納スペースになっていて、自転車や道具などしまっておけます。外と内の中間地点ですが、屋根が付いて、しっかりとした壁で囲われているので、汚れる心配がありません。
 屋外に受けた郵便受に入ったものが室内の靴箱の中におさまる、という工夫もなされています。

まとめ

 いかがでしたか?
 敷地は、さほど良いとはいえない立地条件を考慮して建てられたモデルハウスです。眺望・日照良好でプライバシーも守るという工夫がなされた、建築家こだわりのデザインコンセプトが伝わってきます。また、内と外の境界を感じさせない工夫や、玄関ポーチで話ができる空間をつくることも、おすすめです。

参考書籍『100年安心できる! 「いい家」の建て方』ぱる出版 著者:谷口弘和