合弁会社設立会見でホンダの八郷社長が語った「世界一のモーター」とは?

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ホンダと日立オートモティブがモーター開発の合弁会社を設立と発表

2月7日の15時30分に緊急記者会見が行われ「本田技研は日立オートモティブシステムズと電気自動車やハイブリッド車用のモーターを開発&生産する合弁会社を立ち上げる」と発表された。それに対する業界や自動車ファンの反応といえば皆無に近い。ほぼ無関心と言ってよかろう。

一般的に社長が出席するほどの緊急記者会見なら、大きな話題となってもいい出来事。確かに「ホンダが他社からエンジンを調達する」というニュースなら大騒ぎになったと思う。そもそもモーターの重要度はどのくらい大きいのだろう? よい機会なのでジックリ考えてみたい。


記者会見で本田技研の八郷社長は「世界一性能の良いモーターを作る」と発言した。性能の良いモーターとはいかに。まずエンジンで言う熱効率に相当する『効率』。現在日産リーフなどに採用されているモーターの効率を調べてみると、驚くことに全回転域で90%を軽く超えている。


もっとも効率良い回転域だと95%を超えているほど。プリウスなどに使われているハイブリッド用モーターも同等レベル。いずれも95%程度と考えていいだろう。すなわち効率で評価するなら、最大で2%程度しか改善の余地無し。効率で世界一になったとしても、大差なし。

モーターの性能には現状大差なく世間の感心も薄い

出力はどうか? この点についての状況も甲乙付けがたい状況。むしろ開発された時期によって性能が違う。もちろん小型/高出力化を要求されているけれど、新しい設計のモーターほど性能高い。本田技研と日立オートモーティブによるモーターも、数年すれば次の世代に負けると考えて良い。


そもそもすでに小型化はサチュレートしており、今から頑張ったって10%くらいが限界だと言われている。ネオジムに代表される希土類を使わない磁石で性能を追求するというアプローチもあるけれど、いずれにしろ性能は僅差。ガソリンエンジンと同じくらい拮抗している状況。


ということでモーター性能でぶっちぎることは難しいというのが定説。強いて言えば本田技研単独で開発&生産する現在のモーターよりコストで有利なことくらいだろうか。ちなみにトヨタは高性能モーターの素材である希土類を自己調達出来るルートなど確保している。そのレベルに達するのは難しい?


もう一つ興味深かったのが「モーターの生産メーカーについちゃクルマ好きでもまったく気にしない」という事実。考えてみたら私も何台かモーター付きのクルマに乗っているけれどモーターのメーカーなどどうでもいいと思っている。といった点からすればエンジンとまったく違う「部品」なのだろう。