中国当局が、中朝国境地域で検問を強化していると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。現地ではその背景について、諸説が乱れ飛んでいるという。

中国の対北朝鮮情報筋によると、吉林省延辺朝鮮族自治州の龍井市開山屯など、北朝鮮との国境に面した村に、国境警備隊の検問所が設けられ、出入りする歩行者や車が検問を受けている。

すべての人が検問の対象となっており、親戚の家を訪れる場合は、住所の提示を求められるほどの厳しさだ。

韓国人に対しては、さらに厳しい検問が行われている。

検問所から公安局や派出所に身柄を移されて、取り調べが行われるという。

タクシーに乗ってやって来たある韓国人は、取調官同乗の上で公安局に向かい、旅行目的や最終目的地を聞かれ、すべての荷物を検査された。携帯電話の通話記録を確認するほど、徹底した検査が行われたとのことだ。

宿泊する場合も同じだ。以前なら、宿帳に名前やパスポート番号を記入するだけでよかったが、今ではチェックインして部屋に入った瞬間に、公安局から係官がやって来て、パスポートのチェックを行う。

情報筋によると、今年に入ってから公安局は宿泊施設に対し、「外国人がチェックインする際には手続きを徹底せよ」「怠った場合には罰金を科す」との通達を出した。

中国は、米国のトランプ政権が最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍への配備を進めていることに反発している。おかげで中韓関係がギクシャクしていることもあり、一部からは「検問強化はTHHAD絡みでは?」との声が上がっている。

一方で、脱北者の取り締まりや、脱北者を支援する韓国のNGO関係者への締め付けを強化するためとの見方もある。

中朝国境は、有名観光地の遼寧省の丹東や、白頭山(長白山)、吉林省の図們などを除けば、一般の観光客が訪れるようなところはあまりない。

開山屯は、国境を流れる豆満江と挟んで、北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)穏城(オンソン)郡の三峯(サムボン)労働者区と向かい合ってはいるが、人や物の行き来も少なく、まともな宿泊施設もない。周囲の他の村も似たり寄ったりだ。

さらには、中国当局が今後の脱北者大量流入に備え、軍事基地を建設していることと関係しているのではないか、との見方もある。