広州恒大に完敗も前を向いた風間監督。チーム作りへ先を見据えた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 2月7日、沖縄でキャンプを張っている名古屋は、2015年のACL王者・広州恒大と45分ハーフの練習試合を戦い、1-6のスコアで敗れた。タイでの1次キャンプでは2試合のトレーニングマッチを実施したが、国内サポーターの前で“新生グランパス”として試合に臨むのは初。約400人の観客が詰めかけたなか、名古屋は佐藤寿人のゴールで一矢報いるも、中国の雄に完敗した。
 
 もっとも風間監督は結果などどこ吹く風と、独自の言い回しで試合の評価ポイントを挙げた。
 
「今日はやらずに失敗した選手とやって失敗した選手に少し分かれた。やって失敗した人は続けてもらいたし、やらないで失敗した人には今後、どんどんやってもらいたい。
 
 我々の良いところ、それからまだやっていかなくてはいけないところが出れば良いのがプレシーズン。なので、その意味で今日、また明日(2月8日には東京Vと練習試合を行なう)と、洗っていきたい」
 
 どんな時でも選手を批判せず、奮起を促す。このスタイルは川崎時代とまったく変わらない。
 
 さらに川崎では高く評価された攻撃面に関しても、私見を述べた。
 
「実際に崩される場面はそこまではなかったとは思いますが、それよりも自分たちがトライして点が取れるかどうか。今日はしっかり寿人が取ってくれましたし、やれていた部分はありました。そこを続けていきたいです」
 
 率直に言えば、今日のゲームをスタンドで見ていた人は名古屋の行く末に不安を抱いたかもしれない。しかし、川崎も風間監督の就任によって、即座に結果が現われたわけではない。独自の信念のもとに試行錯誤を積み重ね、多くの人を魅了する攻撃的なサッカーへと昇華させた。
 
 今季は1年でのJ1復帰が至上命題であり、悠長なことを言っていられないのは事実だ。それでもリーグ切っての智将は、グランパスの新たな“スタイル”を作ってくれるはずだと期待せずにはいられない。広州恒大戦の敗戦が始まりの一歩になった――、そう言われる日が来るのを待ちたい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)