米国の市場調査会社IDCがまとめた、中国のスマートフォン市場に関する最新リポートによると、同国における昨年(2016年)10〜12月期の出荷台数(速報値)は1億3570万台となり、1年前から19%増加、前の四半期(7〜9月)から17%増加した。

中国の出荷台数、世界の3割強を占める

 同国では自撮りアプリをはじめとするモバイルアプリの人気の高まりなどから、消費者の買い替えが進み、10〜12月期のスマートフォン市場は大きく成長した。これにより昨年の年間出荷台数は4億6730万台となり、前年実績から9%増加した。

 これに先立ち、IDCが公表していたリポートによると、昨年1年間における世界のスマートフォン出荷台数は14億7060万だった。

 つまり中国の出荷台数は世界の3割強を占めており、同国は依然世界最大のスマートフォン市場となっている。

上位中国メーカーの合計シェアが6割弱に

 そしてこの市場ではメーカー各社のシェア争いが激しく、出荷台数ランキングがダイナミックに入れ替わる。

 例えばIDCによると、一昨年における同国の出荷台数上位5社は、中国シャオミ(小米科技)、中国ファーウェイ(華為技術)、米アップル、中国オウポ(広東欧珀移動通信、OPPO Mobile Telecommunications)、中国ビーボ(維沃移動通信、vivo Mobile Communication)の順だった。

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 しかしこれが昨年は、オウポ、ファーウェイ、ビーボ、アップル、シャオミの順になった。

 このうち上位3社の昨年における年間出荷台数は前の年に比べてそれぞれ122.2%、21.8%、96.9%増加。一方アップルとシャオミはそれぞれ23.2%、36.0%減少した。

 これにより中国上位3社の合計シェアは48%と、ほぼ5割に達し、5位のシャオミも含めたこれら上位中国メーカーの合計シェアは前の年の46%から57%へと拡大した。

 IDCによると、昨年の同国市場では、ネット販売チャンネルの成長が鈍化した。昨年は、それまでの数年間にあったような1つの販売チャンネルが突出して成長するという傾向は見られなかったという。

 スマートフォンのネット販売はこれまでシャオミが得意としてきた分野。しかしシャオミも実店舗展開を拡大するなどし、変化への対応を余儀なくされていると、IDCは指摘している。

iPhoneは10周年モデルで盛り返す?

 一方、アップルにとって昨年は年間出荷台数が初めて前年実績を下回った年だった。アップルは、昨年9月に発売した「iPhone 7」シリーズで新たなブラックカラーモデルを用意し、消費者の注目を集めた。しかし過去にあったような熱狂的な購買意欲を引き起こすまでには至らなかったとIDCは指摘している。

 ただIDCはiPhoneの今後の業績について楽観的な見方をしている。同社はiPhoneの中国市場におけるシェア低下と、中国メーカーの台頭を直接的に結びつけていない。

「多くのiPhoneユーザーは今年発売される2017年モデルを待ち望んでいる」とIDCは指摘。これがアップルのシェアを押し上げる要因になるという。

 また同社は、「2017年はiPhoneの10周年モデルが登場する年であり、Android搭載の高価格モデルを持つ消費者の買い替えを促せる可能性がある」とも予測している。

筆者:小久保 重信