倉田は伝統の“10番”を背負い、新シーズンに挑む。 写真:川本 学

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[ACLプレーオフ]G大阪3-0ジョホール・ダルル・タクジム/2月7日/吹田S
 
 倉田秋にとって、ACLプレーオフのジョホール・ダルル・タクジム戦はほろ苦い“10番デビュー”だった。
 
 ダイヤモンド型を描く中盤の頂点(トップ下)を任された倉田は、後方からボールを引き出すと、果敢にドリブルを仕掛けて、突破口を作ろうとする。26分には倉田のアタックを起点にアデミウソンの先制ゴールが生まれ、長沢駿が決めた2点目も左サイドを駆け上がった藤春廣輝を巧みに使ってチャンスを演出。しかし、3-0で快勝を飾り、ゲームのMVPであるプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれても、試合後の倉田に笑顔は一切なかった。
 
「(個人として)アシストもしてないし、ゴールもしていない。(攻撃の)パターンも少ないし、完璧に崩した形もそこまでなかったので、今日は全然満足していません。10番をつけるからには、チームを勝たせる結果を出していかないと」
 
 昨年の天皇杯から採り入れた新システムは、ようやく身体に馴染み始めたばかりだという。実際、ジョホール・ダルル・タクジム戦ではアデミウソン、長沢、倉田の連動したプレーが成功する場面は少なく、カウンターにつながるボールロストも多かった。しかしそれでも、倉田は自身がトップ下に入ることで、「より攻撃的に行く」という長谷川健太監督の込めたメッセージを意気に感じている。
 
「ヤットさん(遠藤)を中心に、前(2トップ+トップ下)は自由に動いている感覚。まだまだ完成はしていないけど、手応えはあります。とはいえ、相手のレベルが上がれば今日の出来では抑えられてしまうでしょうから、前の3人で連係して、チームとしてゴールを取れればいいかなと思います」
 
 自ら志願してつけた、伝統の「10番」が相応しい選手になるために――。「優勝しかない」。確固たる決意を持って、シーズンの戦いに挑む。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)