2月4日は世界がんデー。乳癌のピンクリボンのほか、肺癌の白リボンなどさまざまな象徴の色と共に啓発が行われています

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これまで4回の連載で、アンチエイジングをご紹介してきました。アンチエイジングは「病気にならずに健康に生き抜くために必要なことに積極的に取り組む営み」のこと。5回目の今回は、これを脅かす病気として三大疾病の一つ「癌(がん)」をテーマに、癌の死亡リスク等のデータ、癌の種類、治療や予防方法をご紹介します。癌は命を落とす怖い病気というイメージがあるかと思いますが、癌を患っても病気と共生し、アンチエイジングの目標の「生き抜く」ことは可能なのです。(北青山Dクリニック院長 阿保義久)

医療の進歩により癌は「克服できる病気」になってきた

「日本人の2人に1人は癌に罹患し、3人に1人が癌で命を落とす」。これは、癌は誰にでも降りかかる恐ろしい病気であることを表現する際にしばしば用いられる言い回しです。

 一方、癌が治った目安として用いられる「5年相対生存率」は2015年の国立がんセンターの発表では全国平均64.3%でした。つまり、一生のうちで半分の方は癌にかかりますが、その6割以上の人が癌を克服していることになります。東京や長野など特に生存率の高い地域では70%以上の人が癌による死を免れています。

 ただ、この集計は、早期癌のみではなく進行癌も含む全ての病期の癌を対象としています。確立された治療法がない末期癌も含んでいることを考えれば、検診を怠らずに早期で癌を発見すれば癌の大半は治せる可能性があることも意味します。一般的には早期で発見されるほど生存率は高く、胃癌や大腸癌などは早期に適切な治療を受けられればほぼ100%が治ります。「癌検診は受けるな」「癌は放置した方が良い」という主張が注目されたことがありますが、治療を受けて全ての癌の6割以上の人、早期癌であれば100%近くの人が治るわけですから、その主張は適切とは言えません。

 確かに、膵臓癌や胆管癌など治療を受けても生存率が非常に低い難治癌も存在しますし、検診を定期的に受けていたのに進行癌で発見されるなどの不幸な例も時にあります。しかし、癌の健診・治療技術の向上によって、全ての癌において生存率は年々向上しており、発見の時期が遅れるほど生存率が低くなる事実に鑑みれば、癌検診を定期的に受けて癌の早期発見治療に心掛けることは極めて大切であると言えます。

 癌で死亡するリスクに関する興味深い統計報告があります。例えば、国民100人のうち10人が60歳までに癌にかかるが、そのうち60歳までに癌で亡くなるのは2人。また、国民100人のうち20人が70歳までに癌にかかり、70歳までに癌で亡くなるのはそのうちの5人。同じように80歳までに35人がかかり12人が亡くなる、というものです。つまり、60歳以降の各年代で相当数の方が癌にかかっても生き永らえています。癌を克服する人(癌サバイバー)は各世代に数多く見られるのです。

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